BLEACH 零

□過去(香姫編)
現在(薫、仁、陸人編)
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(俺は別に…)

薫は少し考えたが考えるのを止めて頭を洗い始めた。

その後、浴場から出てきた二人はご飯を食べながら酒を飲み、結局、朝まで一緒に過ごしていた。






〜薫の研究室〜



(麗奈達の…)

薫は僅かな資料を元に麗奈達の事を調べていたが、ふと阿近に言われたことを思い出し手を止める。


『…気になる奴いんだよな』

(別にそんなつもりはないが……姫は何をしているのか)

ふぅと少しため息をついてから薫はバッと後ろを振り向いた。

「チッ…気付かれたか」

薫のすぐ後ろにいた阿近はニヤッと笑う。

「何か用ですか」

薫は麗奈達のデータの画面をすぐに変えた。

「特にねぇよ…で、姫って誰よ?」

そう言いながら阿近は辺りを見回して、椅子を引っ張ってきて薫の横に座った。

「別に…」
「気になる奴だろ」
「まあ」

薫は説明できるわけじゃなかったので、早く話題を終わらせたかった。

「素直だな まぁいい……おら、掃除やってこい 平隊員の仕事なんだよ」

阿近は分担表を渡して椅子をそのままに部屋から去ろうとした。

「すみません、ありがとうございます」
「じゃあな」
「阿近さん……今度また飲み行きませんか?」
「ああ?」

クルッと振り返る阿近。

「良い場所をお願いします」
「はっ またな」

阿近は少し笑って研究室から出て行った。

「この俺が人を誘うとは…フッ…笑ってしまう」

薫はクスッと笑いながら分担表に目を通し、研究室から出て行った。

それは解散してから二年後のことだった。






『振り返れば (薫編・十二番隊)』





fin
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