BLEACH 零

□今、再び…
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四番隊・隊舎



〜屋根〜


「行くのか?」
「いらっしゃるとは思いませんでした」
「わざと止まったくせにか?」
「最後に日番谷隊長にお話ししたかったので」
「何だ?」
「仲間の元へ行きます 日番谷隊長お世話になりました」

仁はニコッと笑う。

「世話したつもりはねぇが、また会うことになんだろ」
「はい、いずれ」

仁は意味ありげに言葉を止めて瞬歩で一番隊隊舎へ向かった。





〜空き地〜



「師匠、オレ…」

陸人は思い詰めた表情で夜一を見る。

「分かっておる 儂もそろそろお前の相手は飽きたしのぉ」
「ありがとうございました!!」

ビシッと頭を下げる陸人。
夜一は何も言わずにその場から居なくなった。

「…つか、意味分かんねぇんだよ!!」

しばらくして頭を上げる陸人。
そして苛立ちながら一番隊隊舎へ向かった。






一番隊・隊舎



〜隊首室〜


「来たか」

山本元柳斎はすんなりと陸人を部屋へ通す。

「てめぇか…」

陸人は入るなり総隊長にくってかかった。

「オレ達みてぇに強くねぇと無理なんだよ! オレらを使えよ!!」

陸人は思いっきり霊圧をあてる。

「ほっほっ…頼もしい奴じゃな」
「…つか、趣味悪すぎだぜ爺も含めてな」

キッと陸人はある方へと視線を向ける。

「悪い」
「全く、あなたは成長してないわけ?」

その視線の先からは扉が開き薫と仁が出てきた。

「チッ……で、姫は?」

陸人は二人を見て舌打ちをしながらも姫の姿を探す。

「姫は待っています」
「何を?」
「私達が解散しなくてはいけなかった理由は何?」

呆れながら仁は言った。

「それは、麗奈をしとめられず挙げ句に王属特務に接触されたからだろ」
「私達はこの長い間ずっと見張られていた この制御装置によって…」

忌々しいという感じで仁は左腕を上げてブレスレットを見せる。

「俺達を護るために姫は一人になった」
「んなの分かってる けど、そんな事言ってられねぇだろ!!」

陸人は声を張り上げる。

「俺達はあの時は何も出来なかったが今度は違う 樹は熟した 次は逃がさない」
「私も負けない」
「オレだって仕留めてやる! だからさ‥出てこいよ 姫っ!!」

陸人は今までで1番大きな声で叫んだ。


カタン―――


「……」

香姫は薫達とは逆の扉から現れる。


ザッ―――


「「…」」

三人は一列に並び、香姫の前で立て膝をついて頭を下げる。
そして香姫の声が部屋に響いた。

「本日 零番隊解任の任を解く
任命 副隊長 紫堂薫
第三席 樋崎仁
第四席 園嶺陸人
各人は職務に就き励むこと……三名、異論はありますか?」

「「ありません」」

「山本元柳斎重國 承認して頂けますか」
「うむ 四名を零番隊として認める」
「「…」」

三人は顔を上げて香姫を見る。

「みんな」

ニコッと笑う香姫。

「このバカっっ! 勝手に一人で決めやがって!!」

陸人はすぐに立ち上がり香姫に怒鳴りつけた。

「陸 人‥」
「こればかりは陸人に賛成です 何を考えているんですか!」
「仁‥」
「二度めはありませんよ」
「薫…みんな、ごめんなさい もうしないわ」

三人が怒っている中でふふふっと微笑む香姫。

「よいかの?」

総隊長は口を開き零番隊のみんなを呼んだ。

「は! 失礼しました」

香姫は総隊長の前に立ち3人も後ろにつく。

「通知は来たかと思うが西院牙麗奈(サイユウレナ)の率いる部隊の指揮は零番隊になっておるがどうするつもりじゃ」
「その事ですが、四十六室から許可を頂きました 今回の件に関して零番隊は護廷十三隊と共に表で動きます」
「表に出てくるか…」
「はい それと麗奈の持つ斬魄刀は紅院が探していたもの 今回は紅院の力も総動員致します」
「息を潜めて準備をしつつ、隊員の確保と紅院家の力で揺さぶりをかけたのじゃな」
「総隊長、そんな人聞きの悪い ですが彼等も紅院の力を失うのは惜しいのでしょう」

香姫はにこにこ笑っており総隊長も今回の件に関しては納得した。



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