BLEACH 零
□覚悟
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〜一護の家〜
「黒崎サーン この町を守る正義の味方の黒崎サーン! ぶっちゃけ本当は正義のヒーローに今も憧れている黒崎サーン!」
浦原は家の前に来て叫び続ける。
数秒経たずに二階の窓が開いた。
「ふざけんなっ!」
二階から出て来た男は喜助を見て怒鳴る。
「冗談でスよ〜」
扇子を開いてクスッと笑う喜助と、出てきた一護の姿を見てホッとする香姫。
「ん?」
一護が喜助の隣にいる始めてみる二人に目を向けた。
「初めまして苺さん 素敵なお名前ですね」
きちんとお辞儀をしてから笑顔を向ける香姫。
「は?…」
意味が分からずに一護は頭を横にした。
〜黒崎家〜
喜助は勝手に玄関を開けて二人を案内して、そのまま一護の部屋に入った。
一護は机の椅子、喜助と香姫はベッドに腰掛けて、陸人は立ったまま壁に寄りかかる。
「で…何なんだよ」
一護はめんどくさがりながら仕方なく尋ねた。
「香姫サン、黒崎一護サンです 普通の高校生ですが副業で死神代行やってます」
一護を無視して喜助がベラベラと説明し始めた。
「喜助様のお弟子さんとも伺いましたが?」
香姫はジーッと一護を見ていたが、陸人は興味なさそうにチラリと見てふあっと、欠伸をする。
「一護サンは純粋な心のため鍛えられた肉体を未だ女性に披露したことのない可愛いチェリーボ…「てめっっ!!」
一護が顔を少し赤くして喜助に足を伸ばし、黙らせるために蹴ろうとしたがひょいっと交わされた。
(っ!?…喜助様になんて事を…)
香姫が驚く中、何も言わず喜助がくすくす笑っているので、夜一と白哉を思い出す。
二人もよく喧嘩をしているが仲良しだ。
「それでそちらさんは?」
椅子に座り直して一護が言う。
「初めまして苺さん 私は紅院香姫と申します 死神です」
「ああ、やっぱそうか それであんたは何番隊?」
「六番隊です」
香姫は答えた後、直ぐに陸人の方へと振り向いたのだったが彼が目を瞑っていたため気づくことはなかった。
「六番隊? って事は、白哉と恋次の所か」
「はい、ご存知ですか?」
「まあな…それであんたもか?」
一護は肩をすくめて軽く笑いつつ、壁に寄り添う陸人にチラリと視線をうつす。
陸人は目を瞑ったまま何も答えなかったので香姫が代わりに返事をした。
「黒崎サン テッサイ達はどうしたんです?」
「テッサイさん達は遊子と夏梨連れて夕飯の材料を買いに行った」
「そうですか…なら、テッサイに帰って来てもらうよう伝えてもらえますか?」
「ああ、分かっ…「あ? 何だ浦原‥に、美人なお姉さーんッ!!」
一護の返事と被るように今まで机の上で寝ていたコンが起きて、香姫の胸を見て思い切りダイブする。
「!?」
香姫と陸人だけがそのぬいぐるみに驚きつつも、香姫はガシッと胸元にダイブされたコンを思わず抱きしめた。