BLEACH 零

□揺らぎ
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支えてくれる

何かがある…





『揺らぎ』



〜流魂街〜



鍛錬のために香姫は一カ月に一度霊圧制御装置を外す事を決めていたので零番隊隊舎へ向かった。
近くに来て別の者がいる気配を感じて早々と場所を変える。

装置が瀞霊廷内では零番隊の周り以外で外せないので流魂街へ出ることにして紅院家所有の山へと向かった。



「はっ……はぁぁ!!!」

気合いを入れて斬術に力を入れて数時間、夕焼け空が広がる。

香姫はそろそろ帰ろうと決めて霊圧制御装置をつけて、水筒に手を伸ばしお茶を飲んだ。
遙か後ろから誰かの霊圧を感知し香姫は振り返る。

ただ歩いているだけのようだが、不信に思いながらも刀から手を放して座って待つことにした。





―――数分後



「あ…っ初めまして!」

香姫の視界に映った霊圧の主は頭を下げて笑った。
見た目は小さい男の子である。

「…初めまして」

香姫は少し驚きながら相手を見る。そして刀に手を置いた。

「お姉さんは死神だよね?」
「ええ」
「僕も大きくなったらなるつもりなんだ!」

ニコニコ笑いながら男の子は近づいてくる。

スッと立ち上がる香姫。

「どうかしたの?」
「分かるでしょう」

香姫は冷たく言い放った。

〈僕は何もしないからっ!!〉
「?」
〈僕の名前 ジャステイシアだよ お姉さんの名前は?〉

ジャステイシアはニコニコ笑いながらその場で立ち止まる。

「…」
〈言いたくないならいいよ…お姉さんって呼ぶから〉

男の子は少し悲しそうな顔をしたが変わらず笑ったままだった。

「私に何か用でもあるの? 僕」
〈ジャステイシアでいいよ!〉
「…」
〈お願い! 名前で呼んで!〉

必死に訴えるジャステイシア。
香姫は小さな子供が必死にすがる姿に気が緩む。

〈バーカ!!〉

その一瞬を狙ったように、上空から攻撃を受けて香姫は除けながらも左腕に傷を負った。

〈お姉さん!!〉

ジャステイシアは心配そうに香姫に駆け寄る。

「演舞桜」

香姫は始解して刀を構えて上空にいる敵をチラッと見た。
男の子はちょうど香姫の間合いの半歩前で立ち止まる。

〈オイチビ!!チャンスに何してんだ!!〉

香姫に切りかかった男が空で怒鳴りながら降りて来ていた。

〈エル エンペラドル…〉

ジャステイシアがそう上を向きながら呟く間に、香姫は刀に力を入れてエンペラドルからの攻撃を刀で受け止める。
その斬撃の衝撃を男の子は避けようにも間に合わず、左足を負傷して倒れた。

倒れた男には目もくれず、空から来た男は使えねぇとさらに倒れている男の子に斬撃を飛ばす。

〈うあ…〉

その様子に香姫が目を丸くした。

〈足手まといはいらねぇ 避けないアイツが悪い〉
「あなた…最低…っ!」

香姫がエンペラドルに斬りかかろうと走った時、新たな敵が塞がり刀を交える。

〈どうも〜〉

にこやかに笑う男は香姫にそのまま話し始めた。

「あなたも麗奈の配下かしら?」

男の凄まじい早さの刀を止めながら香姫が聞く。
すると、上空から大きな刀が降ってきたため、刀を交えていた男から離れてその攻撃を避けた。

〈てメェ 麗奈様のこと呼び捨てしてんじゃねェ!!〉

甲高い声で叫ぶ、また新しい者がが斬りかかってきた。



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