BLEACH 零

□武術合同会
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零を背負う者達



『武術合同会』





抽選の結果

紅院香姫―更木剣八
紫堂薫 ―朽木白哉
樋崎仁 ―日番谷冬獅郎
園嶺陸人―市丸ギン





〜会場〜


会場は上から見下ろせるように階段状になっていて、その真ん中に四角い形の舞台がある。

その四方に隊員や他の死神がたくさん集まっていた。

最前列に護廷十三隊の隊長と副隊長が横に一列に並び、救護室を挟んだ反対側には零番隊の四人が並ぶ。





〜零番隊の席〜



香姫を前に三人が一列に並んだ。


「この試合で負けることは許しません」

香姫は厳しい顔をして三人を見る。

「姫がそんなこと言うの珍しいな?」
「今回は特別ですから」
「関係ねぇよ オレは勝つ」

ニッと笑う陸人。

「はい それと、霊圧制御装置は一つ残して他は全て外して下さい」
「なんで?」
「つけている必要がもうないの 一つ残すのは力を間違えて殺さないようにするためです 試合が終わりましたら外して構いません」
「つけなくていいのかよ やったぜ」

陸人は右耳につけていたピアスを残した。
仁はネックレスを残し、薫もピアスを残した。

香姫はすでに解散時に渡されたものは全て外している。
出会った時からつけたままのチョーカー二つが残った。

「これじゃすぐに終わっちまうな」

ニヒヒッと笑う陸人に香姫はキッと厳しく陸人に目線を向ける。

「相手は護廷十三隊の隊長です そんなに甘くありません 市丸隊長は読みにくい人ですから気を抜かないで下さい そして修行の成果を私達に見せて下さい」
「ああ、了解した」

陸人は珍しく真面目な顔で返事をした。

「仁 日番谷隊長は氷雪系最強と言われている斬魂刀の持ち主です 相性は悪いと思いますが、私は仁の力を信じています 治療は卯ノ花隊長がいらっしゃいますから思う存分試合してきて下さい」
「はい」

「薫 朽木隊長の斬魂刀は私の斬魂刀の力と似ていますから、闘いの型はすぐに分かると思います 朽木隊長は最初から手加減する事なく向かってきます 気をつけて下さい」
「はい」

「では…そろそろ時間ですね 先鋒、頼みました」
「ああ!」

陸人はそう言って舞台に向かうため階段を降りていった。香姫は両手を胸の前で握りしめ目を瞑る。

「大丈夫 陸人は負けませんし怪我をしてもすぐに治しますから」
「ええ、信じています」

仁は陸人を心配していたのかと思って話しかけたのだが、あまりに香姫が純粋で誇らしい笑顔で答えるので自分が恥ずかしくなった。

「昨日の夜に居なかったのは結界を張っていたのですね」

薫はジッと舞台を見ながら言う。

「はい、結界であれば鬼道衆より私の力の方が強いですからね」
「ではどんな攻撃を仕掛けても問題ないですね 俺たち三人が勝つ姿を見ていて下さい」
「分かりました」

そう言いながらも香姫の重ねた手は胸の前で固く握られていた。





〜護廷十三隊の席〜



「市丸」
「は〜い 嫌やなぁ香姫ちゃんと仲良うなりたいだけやのに」

総隊長に言われ市丸は渋々歩いていく。

「ギン! 負けたらあんたの奢りで飲みだからねっ!!」

乱菊が列から叫ぶ。

「うへえ…ほな負けられへんな」

飄々と歩く市丸が一瞬だけ口角をあげてニヤリと笑った。




〜舞台上〜



「香姫ちゃんに恨まれんのも嫌やし乱菊にどやされんのも困るわぁ〜」

ぶつぶつ言ってる市丸。

(気に入らない奴が相手で良かったぜ 本当はあの爺か鈴の奴が面白そうだったんだけどな……)

何気なくチラッと香姫を見る陸人。両手を重ねている姿が映る。

(チッ…とりあえず勝つ!!)

陸人は霊圧を上げた。
その陸人の霊圧に周りがざわつき、市丸もうっすら目を開ける。

「三番隊隊長市丸ギン 零番隊第四席園嶺陸人の試合を始めます 相手を死に至らしめる行為は禁止となっておりますまた、膝をついた時点で負けとなりますので山本総隊長が合図しましたらお辞めください 鐘の音を合図に開始して下さい」

アナウンスが流れている時に風が止み、周りの空気は一瞬で張り詰めた。




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