BLEACH 零

□変遷
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過去と現在



時は動く……





『変遷』



〜浦原商店前〜



「此処じゃ」

夜一に案内されて立ち止まる4人。

「こちらですか…」

看板を見上げながら不思議そうに言う香姫。

「そうじゃ どれ、香姫から入るか?」
「よろしいのですか?」
「ああ、気配でアヤツも分かっておろうしな」
「…」

香姫はコクンと頷いて緊張しながら扉をノックして、お邪魔しますと一声かけて扉を開けた。

「いらっしゃい〜」

ドアを開けるとすでに座って待っていた喜助が扇子を広げて笑っている。

「っ、…喜助様っっ」

香姫は涙をためて喜助に飛びついて抱きしめた。

「香姫サ‥「喜助様っ!!」

香姫はギュウッと力強く抱きしめる。
その光景を零番隊の3人は複雑な気持ちで見ていた。

そんな中、夜一が香姫の肩に乗る。

「香姫、他の者が入れぬ」
「!……はい、…」

香姫は名残惜しそうに喜助から離れた。

「よくいらっしゃいまシた〜ゆっくりしていって下さい」

ニコッと笑い喜助が部屋にあがる。そして皆も順に部屋にあがっていった。




〜リビング〜



ちゃぶ台を喜助が座りその横に猫姿の夜一、二人と対面に四人が座る。

「それにしてもお久しぶりでスね〜香姫サン」
「はい」
「昔から可愛らしい方でしたが美人になりましたッスね」
「そんなことはありません」

香姫は顔を赤くして今までみんなが見たことないような動揺をして下を向いた。

「何で姫を連れてきたんだよ」

陸人はイラッとして夜一を睨みつける。

「喜助に会わせる為じゃ」
「はぁ? それだけじゃねぇだろ?」
「それだけじゃ」
「意味分かんねえ…」

陸人はそう呟きながら組んでいた足を崩して真っ直ぐ伸ばした。

「儂が尸魂界に着いた時、香姫の霊圧が全く探れなかったのじゃ
たまたま陸人を見かけて香姫の面影があったから話しかけた 鍛えると言ったのは少しの間の気紛れじゃったのに…こんなに時間がかかってしまった」

ふぅと息を吐いて、夜一は喜助の前を通り香姫の膝に座る。

「姉様?」

ふわふわと頭を撫でる香姫。

「つか、さっきからこいつが何なんだよ」
「何じゃ話しておらぬのか?」

フイッと顔を上げて香姫を見る夜一。

「すみません 慌ただしくてお話しする時間がありませんでしたので…何度か話したことがあると思うのですが」
「ええ、俺は浦原喜助さんと四楓院夜一さんの名を姫から聞いたことがありますよ 人物は知りませんでしたが」

隣に座る薫が香姫に話しかける。
それを下から見ていた夜一が香姫の肩に移った。

「…どれ、儂が3人に話してやろう 香姫は喜助と出掛けてくればよかろう 久々の2人なのじゃからな」
「姉様‥」
「儂とはいつでも話せるはずじゃ」

夜一は香姫の肩から陸人の頭に飛び乗る。

「でも…」

夜一の姿を目で追う香姫。

「では行きましょーか? 香姫サン」
「っ!」

浦原は香姫の腕を引っ張り立たせてから肩を抱いた。

「え? 喜助様?」

グルッと喜助を見上げる香姫。

「「!…」」

その姿に殺気を飛ばす3人。

「気をつけてな」

そんな3人を見ていてニヤリと笑う夜一。

「はーい」

扇子を広げてニコッと笑う喜助は、香姫の肩を抱いたまま歩いた。

「え、あの…姉様、みんな、行ってきます!」

香姫は首を回して振り替えりながら慌てて声をかける。
2人が出ていってからすぐに夜一が口を開いた。

「そんなに邪険にせんでもアイツは香姫は大事にしておる」
「ほんとかよっ相当胡散臭いぜ」
「大丈夫じゃ…さて、香姫の過去を知っておる者は?」

夜一はやっと陸人の頭から降りて、座布団の上に乗り3人を見渡した。




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