黒子のバスケ

□側にいたいから
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『側にいたいから』



部活後、みんなで校門を出た所で黒子は帰宅方向とは逆の道に隠れている人物に気づき、静かにため息をついた。

少し歩いてから仲間に忘れ物をしたからと告げ、先に帰ってもらいその人物の所に向かう。
彼は黒子が向かってくるのが分かると隠れていた電柱から出て来て黒子に駆け寄り勢いよく抱きついた。

「黒子っち〜〜!」
「離れて下さい…で、何でいつも君は黙って来るんですか」

黒子は彼を自分から離すと呆れながら目を合わすと、黄瀬は笑う。

「ここの所会えなかったじゃないっスか! だから、黒子っちの補給しにきたっス!」
「理解が出来ません」

黒子はそう言い放つ。
黄瀬はそんな黒子に慣れているのでにっこりと笑った。

「黒子っち どっか寄ってかないっスか? マジバでもいいっスよ」
「いいですよ 寄るつもりでしたから」
「良かったっス! さ、行こ」

そう言って黄瀬は黒子の手を握りしめて歩き出す。
黒子は驚き黄瀬の顔を見上げた。

「黄瀬くん…」
「何?」
「何じゃないです 手を放して下さい」
「えっ!! だって黒子っちと会うの久しぶりなんスよ? 黒子っち補給しておかないとオレ生きられないっス! 本当はさっきだってもっともっと黒子っちを抱きしめたかったっス」
「そんなものしなくても生きられます 放して下さい まだ学校の人達もいるんですから」
「えー…「黄瀬くん」

黄瀬は渋々手を放した。
そのあとはうな垂れたまま今度は黒子が黄瀬の鞄の紐を引っ張りながら歩いて行く。




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