黒子のバスケ

□ーのもの
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『ーのもの』




帝光時代。部活後のロッカー室。


嵐の影響で急遽明日の練習が休みに決まった。それに合わせて、今日の部活後の自主練や居残りも無しと決まる。

青峰は休みか…と思いながら、隣にいた彼を見て良い案を思いついた。

「なーテツ 明日休みだろ?久々に遊び行こうぜ」
「青峰くん、先ほどの話し聞いていましたか? 嵐がきているから休みなんですよ」

着替えの途中、手を止めて青峰を呆れた顔で見る黒子。

「は?だから遊びに行っちゃ行けねーのか?」
「そういうわけじゃありませんが、僕はわざわざ嵐の日に出かけたくないです」
「そういうもんか?」
「もー、青峰っち! 黒子っちの言う通りっスよ」

着替え終わった黄瀬がわざわざ黒子の隣に来て、青峰のほうを向いて指差した。
黒子はそんな黄瀬は放っておいて、再び手を動かして着替えの続きとロッカーの中と鞄の中身を整理する。

「お前には聞いてねぇ」
「いやいや、もし出かけて黒子っちにケガでもあったらどうするんスか! 青峰っちは何があっても大丈夫そうっスけど、黒子っちは違うんスよ!」
「知るか! 黄瀬はうるせーなぁ」
「いつも青峰っちはそうやって…」

二人の言い合いが始まり、緑間は「全く、いつもいつもうるさいのだよ」と言いながら着実に着替えを進める。
帰ろうとしていた紫原は黒子の横を通る時に手を伸ばして頭に置いた。

「黒ちん気をつけなよー 飛ばされないようにねー」
「紫原くん 僕が飛ばされるほどの風は吹かないと思います」
「えー?だって、黒ちんこんなに小さいのに?」
「身長は関係ありませんよ」
「全くだ 紫原、黒子の質量で飛べるほどの風が吹くことはありえないのだよ」
「えーー?そうなの?」
「当たり前なのだよ」

黒子も着替え終わり、みんなのやりとりを横目で見ながら一人静かに部室を出て行く。
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