黒子のバスケ
□ずっと一緒
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『ずっと一緒』
桐皇学園の正門で黒子は彼女を待つ。
意中の人を見つけた桃井は走りながら名前を呼び横から思い切り抱きついた。
周りの人達は何もない所に何事かと驚き彼女の方を見れば、人影があるのでさらに驚く。
そんな周りの反応に二人は気づかず、少しよろけた黒子は「お疲れ様です」と言った。
「お疲れ様! ごめんね待った?」
「いいえ、そんなに待っていませんよ」
「テツ君はこの近くに用があったの?」
「いえ、そういうわけではないんです 以前見た映画でさつきさんが一緒に登下校するのをしてみたいと仰っていたので来てみたのですが、ご迷惑でしたか?」
「テ、テツ君!! すっごく嬉しい みんなに見せつけたいぐらい!」
にっこり笑う桃井は彼を抱きしめていた腕に力が入る。
そんな桃井に黒子は微笑んだ。
すると、そこへ青峰が現れる。
「よっ、テツ」
「青峰くん こんにちは」
「なっ、何で大ちゃんが来るのよ!」
キッと睨みつける桃井はこれ見よがしに彼と腕を組んだ。
「あー?お前が一日中テツが迎えに来るって言ってたんだろ 会いに来ちゃワリィのかよ」
「悪くはないけどデートの邪魔しないでよ」
「アホか誰がするか」
そう言って青峰は鞄からある昔のバスケ雑誌を取り出して黒子に渡す。
「あ、これ…テツ君が探していたものだね」
「はい、中々見つからなかったので良かったです」
黒子が探していた本は昔の雑誌だったのでもう無理かと諦めていたもので、たまたま知った青峰が先輩に聞いてみたら持っていたので借りたのだ。
「青峰くん、いつまでに返したらいいですか?」
「期限は無えからいつでもいいぜ」
「分かりました なるべく早く返します」
「ああ、じゃーなテツ!」
「はい、ありがとうございます また」
青峰との会話を聞いていた桃井は二人の仲が戻ったことが素直に嬉しくて自然と口角が上がる。
青峰と別れた後で二人も歩き始めた。