etc…

□月下の誓い
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普通にブリタニアで暮らしている設定です。

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月灯りに照らされて…


『月下の誓い』



「あ、やっぱりこちらにいたのですね‥ルルーシュ」

ユフィは木の木陰で読書をしていたルルーシュに近づき、前に立ちふわりと微笑んだ。


「ユフィ、…どうした?」

本から目を離して彼女を見上げるルルーシュ。


「シュナイゼルお兄様が見かけたら呼んで来てほしい…と」

「兄上が?」

「はい」

「そうか、…分かった」

「……?」

ルルーシュは返事をしたものの、また本に目を落として動こうとはしなかった。

その様子にユフィは首を傾ける。


「ルルーシュ? 行かないのですか?」

「ああ‥俺でなくてもいいはずだ 兄上は俺がユフィに言われれば動くと思っていらっしゃる ただ俺をからかいたいだけだ」

「…そうでしょうか?」

ユフィは不満そうに言いながらも、ルルーシュの隣に座る。


「この前もその前もそうだったんだ 『見かけたら呼んでほしい』と言われたのだろう? なおのことさ…」

ルルーシュはユフィを見て肩をすくめ、また、本の続きを楽しもうとした。


「違います…わたくしが言ってもルルーシュは動いてくださいません!」

「!…あ、ああ…その事か…」

ルルーシュは曖昧な返事をしながら、あまり話しに参加しないよう、本に夢中なフリをした。


「わたくしが今までに何度もお誘いしましたのに、水泳、スキー、フェンシング、テニス…バドミントンまで全て断っていますよ?」

ユフィはムキになって、ルルーシュをキッと睨む。


「そっ、それは…体力のない俺にユフィが提案してくるからだろう? ユフィと一緒には俺は動けないよ」

チラリとユフィを見てからルルーシュは困ったように言った。


「では、わたくしが言えば動くというのはウソですわね?」

「ん?…まぁ、そうなる…な…」

ごもごもと口ごもりながらルルーシュは言った。


「それでは問題ありません シュナイゼルお兄様の所に行かれても、からかわれる事はないでしょう?」

ユフィはにっこり笑いながら、ジッとルルーシュを見つめる。


「仕方ない……」

ルルーシュは諦めてまず本をパタンと閉じた。


「……いっ、いや…ダメだ! これではいつもと同じじゃないか」

ルルーシュはやはり気に入らないらしく、立とうとはしなかった。


「…」

ユフィはその様子を見て、さっきシュナイゼルに言われた事を思い出していた。



―――――――


「ユフィ…」

シュナイゼルはたまたま庭にいたユフィに2階のテラスから声をかける。


「!、シュナイゼルお兄様」

スッと呼ばれた方へと顔を見上げるユフィ。


「ルルーシュを見かけたら呼んで来てほしいんだが、頼めるかな?」

「見かけたら…で、よろしいのですか?」

「ああ ユフィに頼めて良かったよ ルルーシュはユフィにだけは弱いからね」

シュナイゼルはニコッと笑いながら、伝えた。


「はい!……(ルルーシュがわたくしに弱い?)」

ユフィは返事をしたものの、少し気がかりだった。





―――――――――



「ルルーシュはわたくしよりお強いですわよね?」

「は?」

ユフィの突然の発言にルルーシュは驚く。


「あ、でも…体力勝負でしたらわたくしの方が強いかもしれませんわよね…」

う〜ん――
ユフィは1人で悩み始めた。


「おい、ユフィ? また兄上に何か言われたのか?」

「! そうでした…ほら、呼んでいるのですから行きますよ」

ユフィはふいに思い出して、スッと立ち上がる。
そして、ルルーシュの腕をグイッと引っ張った。


「うわっ…まっ、待て! 俺は行かないと言っているだろう!」

ルルーシュは腕を引っ張られながらも、頑として立とうとはしなかった。


「まあ、強情ですわね? わたくしも一緒に着いていってさしあげますからっっ…」

ニコッと微笑み、ユフィは思いっきりルルーシュを引っ張った。


「うわっっ!?」

ルルーシュはユフィに向かって、思いっきり倒れた。




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