etc…

□おそろい
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赤と青


彼と彼女





『おそろい』



「ルルーシュ」

「はい」

ルルーシュが自分の部屋で本を読んでいる所、コンとノックとともに自分を呼ぶ名が聞こえ返事をした。

扉を開けて入って来たのは兄のシュナイゼル。

「兄上、何かご用ですか?」

「お土産があるんだが‥テラスでチェスでもしながらお茶にしないか」

「いいですよ 今日こそは勝たせて頂きます」

ルルーシュは組んでいた足を直し、本を閉じて不適な笑みを浮かべて椅子から立ち上がる。

「はは、怖いな ああ、そうそう見てくれたまえ」

シュナイゼルは子供をあやすかのようにクスクス笑い、胸ポケットから何枚か写真を取り出した。

ルルーシュはシュナイゼルに近づいて渡された写真に目を通してギョッとする。
この前負けたチェスの罰ゲームで、メイド服を着せられた自分の姿が写真に写っていたのだ。

「綺麗に写っているだろう? やはりプロは違うものだね」

シュナイゼルは一人肯いた。

「兄上っ! 何故この写真があるんですか!…今回は誰もいなかったはずです!」

「あの場には…ね ただ外や周りにはいただけさ だから悲しいことに全部目線が違うだろう?」

「!」

ルルーシュは(視線なぞどうでもいい!)と思ったが口に出すのは止めた。

シュナイゼルとのチェスでは、遊びでたまに罰ゲームを提案される。
もちろんルルーシュは勝つつもりでいるので了承するが、そういう時のシュナイゼルは凄まじく強い。

そして罰ゲームの内容は殆どルルーシュ自身にとっては恥ずかしい格好を着せられるのだ。

シュナイゼルはその姿を必ず写真に写してアルバムを作っている。

前回は『写真はなし』とルルーシュが反発したのだが、シュナイゼルに通じるはずもない。
しっかりと数十名のカメラマンを用意をして待っていたのだ。

「さて、下に行こうかルルーシュ」

「っ!」

ルルーシュはグッと我慢をして、手に持つ写真を胸ポケットにしまいながらシュナイゼルの後ろをついて行く。





〜テラス〜



「おやおや」
「姉上‥」

二人が到着するとそこにはコーネリアが着席していた。

「やはり兄上でしたか」

コーネリアはじろりとシュナイゼルを見た。

「久しぶりだねコーネリア」

シュナイゼルはコーネリアが座る席の隣に着席した。
ルルーシュは反対側の席に座る。

「姉上 今日はどうされたのですか?」

「きっと兄上と同じだ そうですよね兄上」

「ああ、コーネリアもか」

「はい」

ふふんと笑うコーネリアに対して、にこにこと笑うシュナイゼル。

ルルーシュにはそんな二人の笑顔が恐ろしかった。

ちょうどそこに使用人が紅茶とお菓子を持ってきてカップを4つ机に並べた。

「一つ多いぞ」

「いえ、先ほど到着されましたので」

「そうか」

ルルーシュは使用人の言葉にナナリーが帰って来たのかと思っていたのでそう不思議には思わなかった。




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