REBORN!

□そう言うことじゃなくて
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好き…



そんなこと分かってる




『そう言うことじゃなくて』



〜洋食屋さん〜


「ディーノさん‥」

「ん?」

「こぼしすぎです」

クスッと笑いながらツナがディーノの口を拭く。
ディーノの机の周りにはスパゲティの飛び散った後や、サラダがこぼれていたり、スープが周りに飛び散っていた。


「ん……悪いな ツナ」

にへっと笑うディーノ。


「もう慣れました」

あははっと笑いながら、ツナも言った。

2人が付き合いだして、3ヶ月が経った頃だった。


「ん、このピザおいしい」

「本当か?」

「はい…」

ツナが直接ディーノにピザをあげる。


パク――


「ん、本当だな これは俺も認めるぜ」

「ディーノさんピザにはうるさいですよね?」

ニコッと笑ってツナは言う。


「ああ イタリアとは違うからな」

「ははっ、ですよね」

「なあツナ?」

ディーノは手を止めてツナを見つめる。


「はい」

「好きだぜっ」

ニッと笑ってディーノは唐突に言った。


「っ、…ありがとうございます・・・」

ツナはディーノが何度も「好きだ」と言うのに慣れてはいるが、やはり照れる。


「カッワイイなあ〜」

「・・イタリア人はみんなして積極的すぎるんですよ!!」

ツナが言い返す。


「そうか?」

「獄寺くんだって、十代目、十代目って寄ってくるし、バジルくんも沢田殿、沢田殿って……みんなして」

はあっとため息をつくツナ。


「う〜ん…あんま分かんねーけど、ツナはオレのだから他のヤツには渡しはしねえよ」

「!」

いきなり本気な顔になるディーノにドキッとするツナ。


「ん……? あははっ ピザかと思ったらナプキンだったぜ」

ディーノはかじったナプキンを持ちながらいつもと変わらずに笑う。


!「あははっ」

ツナもつられて笑うのであった。





〜街の中〜


食事も終わり、2人はゲームセンターに向かっていた。

ディーノの姿を見て、女性達は振り返って賛美する。


「……(いつものことだけど、ディーノさんカッコイいからな)」

ツナは周りの声に反応して、少し伏し目がちになる。


「どうした?」

ディーノがすぐに気付きツナに問う。


「え?」

「なんか暗いぞ」

「そっそんなことないですよ ちょっと食べ過ぎたみたいで…」

「そっか…少し休もうぜ あそこに公園があるから行こう」

「はい‥」

ディーノの優しさに嬉しくなるツナだった。





――――――――――


すぐ近くにある公園のベンチに座った。


「飲み物いるか?」

「いや、平気です」

「そうか…」

「わっ!」

グイッとディーノはツナを引っ張り、自分の膝の上に頭を倒した。


「横になれよ それにほら、空がきれいだぜ」

ディーノはベンチの背もたれに腕を置き、上を見上げた。


「あ、ほんとだ…」

ツナは快晴な空を見上げて、ボーっとする。


「な?」

「っ!!」

ディーノはツナを覗き込む。

ツナの視界には空とディーノだけでいっぱいになった。


「たまにはこんなのもいいなっ」

ディーノはニコッと笑ってツナの頭を撫でた。


「はい!」

ツナも元気よく返事をした。


その後ゲームセンターに行ったが、気になってしまう周りの視線は変わらず、ツナは少し落ち込むのであった。




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