REBORN!
□夢の話しをしよう
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夢は…
儚いもの
そして、尊いもの
『夢の話しをしよう』
〜イタリア〜
「ただ今帰りましたよ 綱吉」
骸はドアの部屋を開けて、真っ直ぐ綱吉の座る机へと歩いて行く。
「お帰り」
綱吉は笑って返事を返すが、書類にすぐまた目線を落とした。
「………それだけですか?」
骸は不満げに机の前に立ち止まる。
「僕は報酬が欲しくてわざわざマフィアなんかの手伝いをしたんですよ?「部屋にお前が好きだって言ってたお店のチョコレートケーキあるからな」
綱吉は書類にサインをしながら話し、次の書類に手を伸ばして読み始める。
「聞いていますか?」
(またこの問題か…リボーンに頼めるかな)
綱吉は違う事に頭がいっぱいで、骸の声は聞こえていなかった。
「そんな書類など…」
嫌みったらしく不満そうに言う骸。
「・・・んーっ」
とりあえず書類は見送る事にして、背伸びをする綱吉。
そこで見上げた骸の顔に驚く。
「な…どうしたんだ?」
「何がですか」
骸は明らかにムッとして綱吉に聞き返した。
「や、何でもない」
綱吉はよく分からなかったが、迫力に押されて理由を聞けなかった。
骸はいつもの綱吉の姿に、少しだけ気を許す。
「ところで、報酬を貰いたいのですが」
「口座に振り込まれてなかった?」
「そうではありません、綱吉からの褒美が欲しいのです」
「オレからの? 分かった…何が欲しい?」
ニコッと笑って綱吉は答えを待った。
「あなたを1日中愛せれば、それで」
ニッコリ笑ってから、骸は机の周りを歩き、綱吉のイスを自分と向き合わせるように背もたれに指をついて動かす。
「骸?…」
綱吉がボーっと見上げている中、骸は片膝を綱吉が座るイスの端に乗せ、前かがみになった。
囁くように綱吉の耳元で骸は言う。
「夜の営みが僕の望みです」
「なっ!!…んっっ…」
綱吉は驚きの声をあげた後、骸から濃厚なディープキスをプレゼントをされた。
「ふふ…覚悟はいいですか?」
骸は楽しそうに、綱吉のネクタイを取ってYシャツのボタンを一つずつ取っていく。
「‥いいわけないだろ!! 離れろっ!!」
綱吉はプツンと我慢の糸が切れて、骸を押して取れたボタンをせっせっと直す。
「おや、そんなに拒まれなくても…」
クフフっと楽しそうに笑う骸。