BLEACH

□甘い味
1ページ/6ページ


あなたとだから…

感じられる


『甘い味』





〜瀞霊廷内・甘味処〜



「さぁ食え!」

恋次はお皿に装われた大量のたいやきを目の前にして、笑顔で言った。


「…偉そうに言うな 馬鹿者」

恋次と反対側にいたルキアはそんな恋次の顔を見て、少し呆れた。


「ぁあ?…素直にありがとうございますって言えねぇのか!!」

「うるさい奴だな」

「どっちが!!」

「まぁ、よい…いただきます」

ルキアは一つたいやきを取り、一口食べた。


「どうだ?旨いか?」

「…」

「旨いだろ? あんこと皮が最高だよな!!あんこが甘くて皮がもちもちしてて、まぢで旨いだろ!!」

「まだ私は何も言っておらぬ!!」

ルキアはたいやきをゴクンと飲み込むと、そう答えた。


「お、おお、悪い…で、どうだ?」

「恋次の言う通り…美味だな」

「だろっっ!!こんなの作った奴スゴいよな!!」

「そうだな 形も可愛いぞ 兎ならもっと良い!」

「じゃ、ルキアも食べたことだし…俺も……」

恋次はたいやきをガシッと両手に取った。


「そんなに好きか?」

「ああ!!」

バクッとたいやきの半分を食べて、「うっめぇ〜vv」と叫ぶ恋次を見ながら、ルキアは少し考えるのであった。


「…」

「オイ、どうした?早く食わねぇと食っちまうぞ?」

!「貴様は私に一つしかご馳走しないつもりだったのか!?」

「イヤ、ちげーよ ただ、たいやきが目の前にあると、勝手に手が…」

「ほぅ、単純な奴め」

「んだよ…お前こそ、口の横にあんこついてるぞ!」

恋次は笑いながら、ルキアの方へと体を倒し、手を伸ばして口元についていたあんこを親指で拭うと、そのままバクッと食べた。


「なっ…」

「?」

「自分で取れるわ 馬鹿者!!…」

ルキアは照れを隠すようにたいやきを食べた。


「そうがっっ・・」

ゴン


恋次はいきなり背中を倒されて、頭が思いきり机にぶつかった。


「松本副隊長…」

「こんちは!」

「あっ、はい、こんにちは!!」

バッと頭を下げるルキアをよそに、恋次はバッと体を起こし、後ろへ振り返った。




次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ