BLEACH

□蒲公英
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すれ違うもの…


締めつける想い…



『蒲公英』



「オイ!!ルキア!」

恋次は廊下で見つけたルキアを呼ぶ。


「恋次か?何だ」

「お前、今からどこ行く?」

「食堂だ」

「なら、これ持ってってくれ」

「何だこれは?」

ポスッと渡された包みを見るルキア。


「さっき浮竹隊長から貰った饅頭なんだけどよ、オレはちょっと用思い出して、頼むわ」

「むっ…私を使うな!」

「ああ?てめぇ飯喰うから食堂行くんだろ?」

「そうだが…」

「頼んだぜ 喰っちまってもいいからな じゃっ」

恋次はそう言って走って行ってしまった。


「?…変な奴だな」





〜食堂〜



「あっ 朽木さ〜〜ん!!」

織姫がルキアが入った瞬間に叫んだ。


「井上…」

「ヨッ」

「一護、もう平気なのか?」

「あぁ、井上のおかげでな」

「朽木さんもご飯?」

「ああ」

「なら、一緒に食べよっ!! 私達もまだだから」

「そうか なら失礼するぞ」

ルキアはたまたま近かった一護の隣に座る。
一護の隣には茶渡。
一護の前に織姫、隣に石田となる。




「なぁその包みはなんだ?」

「あぁ、コレは恋次に渡されたものだ 饅頭だそうだが…食べるか?」

「あっ! ダメだよぉ まずはご飯!!」

織姫がムッとして止めた。


「そうだったな」

クスッと笑うルキア。


「それにしても、尸魂界の飯もあんま変わらねーってのは驚いたな」

一護が食べながら言った。


「そうだな…改めて考えてみると不思議だな」

「つーか、てめぇこそ体はいいのか?」

「霊子に満ちた尸魂界にいるんだ 体調には支障ない」

「そうか ならいい」

ふっと笑う一護。


「そういう一護こそ聞いたぞ 毎日、十一番隊に殴り込みしているみたいだな?」

「違えよ…体が鈍るとよくね一から稽古してるだけだ」

「ほう、更木隊長を見かけると臆して逃げ回っているとも聞いたがな」

「バッ!! てめぇはアイツのデタラメが分かんねえのかっ?」

「そうか…知らなかったぞ」

ルキアは軽く流して、ご飯を口に運ぶ。


「てめぇ…」

「黒崎、そんな事をしていたのか」

やれやれといった感じで石田が言った。


「何だぁ?」

「少しは落ち着いていられないのか? ただでさえ僕らは余所者なんだ」

「うっせぇなぁ〜って、石田それだけか?」

ご飯を見て驚く一護。


「悪いか?」

「お前そんだけしか食わねーから、茶渡みたいにならねーんだぞ」

「茶渡君は別格だろう!」

「へぇへぇ」

「っ〜〜黒崎!」

石田はガタンと立ち上がる。


「いっ石田くん…」

まぁまぁと織姫が止める。





「…」

恋次はその光景を食堂の入り口付近から眺めていた。


「あ!!恋次くん!!」

その恋次に気づき織姫が手を振った。


「げっ……チッ」

恋次は驚きながらも、ルキア達の所へ歩いた。


「もう用はよいのか?」

ルキアが振り返り恋次に聞く。


「ああ」

恋次はルキアをよそに茶渡の隣に座る。


「てめぇは、何喰ったらこんなデカくなるんだ?」

恋次は茶渡の腕をバシッと叩く。


「む…すまん」

「オイ、謝るとこかよ…」

呆れながら恋次は立ち上がりご飯を貰いに行く。





「朽木さんのおいしそう」

「ん? ああ井上も食べるか」

「いいの?」

「ああ」

「わ〜〜い」

織姫はルキアのお皿を受け取り食べ始める。


「…」

恋次は戻ってきて静かに椅子に座る。


「なんだ恋次?静かだな」

「バカかおめえは 喰う時に騒ぐわけねえだろ」

「ぁあ? てめえからそんな事が聞けるとはな…」

「あ? てめえこそいろんな所を騒がせて、食事中ぐらい静かにできねえのか」

そう言って恋次はバクバクご飯を食べる。


「同感だ」

石田がすかさず言った。


「てめぇら…」

「一護 こぼしているぞ」

そう言ってルキアは布巾を渡す。


「あ…悪い」

「全く餓鬼だな」

クスッと笑うルキア。


「うっせえよ!!」

「…」

恋次はそんな会話を聞きながらも、ガツガツと食べ続けた。





―――食事後



「井上 饅頭好きか?」

恋次が席を立ち上がり、織姫に聞く。


「え? あ…好きです」

「ルキア…さっきの開けてやれ オレは先行くぜこれでも仕事があるんだ」

「恋次?」

ルキアは恋次を見る。


「お前は病み上がりなんだ…まだのんびりしてろ じゃあ…なっ」

恋次は一護の頭を抑えて机にガツンとあてた。

そして歩いて行く。




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