BLEACH

□雪うさぎ
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想いを知るのは…



小さな小さな





『雪うさぎ』



「……あと、一週間後」

恋次はカレンダーを見て、ふうっと息を吐く。

一週間後の1月14日、それはルキアの誕生日。

恋次はその日の為に準備をしてきたが、まだ、内容は彼女には内緒。

そうしてはやる気持ちを抑えつつ、今日会う待ち合わせ場所に走っていた。






――――――――――



「ルキア!」

待ち合わせ場所にルキアが到着して、2人はお店へと歩き出す。


「珍しいな? お前がオレより遅いなんて」

「ああ、そうだな・・・・むしろ、貴様がたまたま早かっただけだろ?」

「そうだな」

あははっと陽気に笑う恋次をルキアもくすりと笑った。


「なあ恋次‥」

「あ?」

「誕生日のことなんだが‥」

さっきの笑顔は消え、ルキアは歯切れが悪い言い方をする。


「ルキア、お前楽しみにしてろよっ! すっげえことを計画してんだ!!」

「その…今日、浮竹隊長から連絡があってな? 白哉兄様や、一護や井上達もこちらに集まってお祝いしてくれるそうだ」

「そりゃめでてーじゃねえか!」

何も知らない恋次は嬉しそうに言った。


「!‥いいのか?」

ルキアは驚いて恋次を見上げる。


「は?」

「14日は何か計画してくれていたのだろう?」

「一護達‥14日に集まるのか?」

「ああ、現世側の学校が休みのようだ」

「そうか………、まっ、いいじゃねえか!お前、友達少ねえからそんなの初めてだろ? 今年はそうしようぜ!」

一瞬だけ顔を曇らせた恋次だが、笑顔でぐりぐりとルキアの頭を撫でた。


「れ、恋次‥すまな「それ言うな! 別にオレだけで祝う必要もねえーだろ? 祝い事は盛大に楽しくしねえとな!」

ははっと笑う恋次。


「いや、私はまだ返事はしていないのだ」

「なんで?」

「恋次と約束があったから」

「へえ、可愛いこと言うな?」

「っ‥私は本気で言っているのだぞ!!」

ムッとしてルキアが大声で言い返した。


「悪い‥‥でも、オレはいいと思うぜ? 浮竹隊長も朽木隊長も、一護や茶渡や井上も…お前の為に集まってくれるんだろ? 素直に喜べよ」

恋次はルキアを抱きしめてそう言う。


「恋次‥ありがとう」

ルキアは恋次の腕の中で幸せそうに微笑んだ。


「あー、腹減った」

「!」

雰囲気ぶち壊しの恋次の一言で、バッと胸から離れキッと睨むルキア。


「何だよ?」

「このたわけっ! 腹が減ったのだろう!さっさと行くぞっ!」

ムスッとしながらルキアが恋次より前を早足で進んで行く。


「は?‥」

恋次は訳が分からずに、とりあえず着いて行った。


(馬鹿恋次っ!!)

ルキアは腕の中で恋次を心から感謝し、また、やはり恋次が大好きだという想いで溢れたたのだが、恋次によりそれが壊された。

恋次にとっては、ルキアの行動が分からないのだが…。




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