SEED

□二人だけの日
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「今度はなんだ!」

イザークはムッとしながら聞いた。

「クッキーを作ってきましたの。少しお待ち下さいな」

 ラクスはニコッと笑ってドアに向かおうとした。

「オイ待てっ!!」

 イザークはソファから立ち上がりラクスの腕を掴んだ。

「……どうしましたの?」

 ラクスはイザークの方へと向き直りキョトンとした。

「どうもこうも…「イザークも一緒に行きたいんですの?」

「そんなことはない!!」

 思わず怒鳴ってしまうイザーク。

「では参りましょう?」

 そんなイザークなどお構いなしで、ラクスはイザークの腕を組んだ。

「フン」

 イザークは少し苛立ちながらも、ラクスをきちんとエスコートした。





〜食堂〜



 イザーク達は食堂に行き使用人に渡したクッキーを取りに行った。

 そうすると、使用人の方々が庭にセッティングしてくれたため、イザークとラクスは庭に向かい席に着く。



〜庭〜




「ラクス……こんなに作ったのか?」

「はい!」

 イザークは目の前の大皿に綺麗に並ばれたクッキーを見てあ然とした。

 一皿なら分かるが、大皿が三皿も用意されている。

(限度を知らないところがラクスらしいが)

「こちらはくまさん、ウサギさん、ネコさん、星型、ハート……楽しそうでしょう?」

 ラクスはクッキーを順番に見てから、イザークに向かってニコッと笑顔を向けた。

「楽しそう、か」

「?」

「全く、ラクスらしいな」

 イザークが微笑した。

「食べて下さいな。甘さは控えましたの」

「ああ、いただきます」

「どうでしょう?」

「美味いよ」

「良かったですわ」

 ラクスはホッとした。

「ラクス 聞きそびれていたがどうして突然来たんだ?」

「お会いしたいと思いましたので、来てしまいましたわ」

「なっ」

「イザークにお会いしたくなりましたの」

「そっそうか」

 イザークはカァッと顔を赤くした。

「わたくしはイザークの気高く負けず嫌いで正直な所、そして、何よりもわたくしに優しく接してくださる所が大好きですわ」

「ラクス?」

 イザークは突然の告白に固まった。

「今度は何を作りましょうね」

 ラクスは紅茶に手を伸ばして、ふんわり笑った。

「ラクス」

「はい?」

「俺はラクスの芯の通った強さ、時折見せる涙、無邪気に笑う笑顔、全部愛しいと思うぞ」

「イザーク」

 ラクスはイザークが初めてそんな事を言うので、驚いた。

「それに、ラクスの隣は俺しか似合わんからなっ!」

 そう言ってラクスのいる方向とは逆に、思いっきり顔を向けた。

 耳まで真っ赤にしながら。





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