BLEACH 零

□正体…(香姫編)
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「まあ六番隊には別の用もあるん」
「なんスか?」
「六番隊にかわええ男の子いいひん?」
「は?」
「小柄で目が大きい黒髪の男の子なんやけど」
「さぁ?オレは知らないッス」
「ほな君は」

市丸はチラッと香を見た。

「え、いっいえ僕も知りません」
(あ……まさか…いや、違うよな?)
「せやけど 君、前に会うたことあらへん」

市丸は笑ったままテクテクと香の方へと歩き始めた。

「いえ、お目かけするのも今日が初めてです」
「ふ〜ん? 隊長を目の前にしてよう落ち着いてはるから勘違いしてしもたわ」
「っ! そんなことはありません」

市丸に言われた事に動揺する香。

「君…」

市丸はいきなり香を抱きしめた。

「な…」
「え……」

恋次と香は同時に驚いた。

「あの子と同じ匂いするわ〜」

市丸が香を抱きしめてころころ笑っていると執務室に白哉が入って来る。

「市丸」

白哉は執務室へと入るなり市丸に冷たい視線を向けた。

「隊長!」
「朽木はん」
「…」

クルッと白哉の方を見る恋次と市丸。

「副官も連れずに私の隊で何をしている」
「ええやないの もう業務時間やおまへんし」
「恋次まだ終わらぬのか」
「いえ、今日の分はもう終わってまス」
「ならばいつまでも執務室で遊んでいるな」
「はい」
「兄もいつまでその者を抱擁して…「なぁ、名前は?」

白哉の話しを聞かずに市丸は覗きこんだ。

「山田です」
「ほなまた」
「はっ、はい…」

驚きながら市丸の背中を見続ける香。市丸が白哉の横を通る時に小声で言った。

「あの子、三番隊にくれへん?」
「…恋次 用があるのではなかったのか」
「うお!! ヤバい」

恋次はチラッと時計を見て書いていた手紙を止めて荷物を急いでまとめる。

「悪い!じゃあな 香!」
「はっはい」
「隊長! お先に失礼しまッス!」

そして慌てながら白哉の横を走り去る恋次。

残された二人。

少し気まずい空気が流れ白哉はジッと香を見ていた。




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