BLEACH 零

□出会い…(陸人編)
2ページ/7ページ


上空にいるロコからさっきと同様に刃が向かってくる。
陸人はその斬撃の遅さから鼻で笑うが香姫は急いで始解をした。

「あ? こんなもん!!」

陸人はその見える刃に向かって刀を構えて弾く。
その隣では香姫が斬魂刀を宙に振る姿が映った。

キン―――

キキッキッキキン
ザシュッ―――

陸人の止めた刃の音と香姫が止めた無数の刃の音が響き、ロコの足は斬撃により血を流す。

〈くっ…〉
「お前…」

陸人は横にいた香姫を見て眉を寄せた。

「下がって下さい 貴方を巻き込むわけにはいかない!」

じろりと睨みつけ香姫は言う。

「うっせえ! てめぇの言い分なんか知らねえ オイお前等! 最近、流魂街で魂食ってんのはお前達か!」

香姫を無視して陸人は上空の二人に声をかけた。

〈はぁ? だったら何だよ?〉
「やっと当たりか…」

小さな声で呟く彼の顔は嬉しいようにも悲しいようにも見える表情で、香姫はただその姿を見ていた。

「オレは下がらねぇからな!」
「分かりました では一対一ということでよろしいですか?」
「いいぜ」
「では、そちらは頼みますね」
「あ、ああ(…変な奴)」

そう男に告げた瞬間、香姫は宙にいるマゴに斬りかかっていた。

〈え…〉

ゴウッと強い風の音がしたと思ったら、マゴがいた跡さえも分からないほど一瞬で終わる。
隣にいたロコの隣を通り、地面に降りた香姫。

〈マゴ!!〉
「余所見してんじゃねぇよ」

男はロコの前にきてそう言った。

〈はっ俺がお前に負けるかよ!〉
「ああ? オレのが強いに決まってんだろ」
〈俺の刃が見えてねぇのに大した口だな!〉
「じゃ、てめぇはオレの刀が見えるのかよっっ!」

陸人はロコに直接斬りにかかる。
ロコは笑いながら全ての斬撃を交わした。

〈ははっ…遅い遅い 見えるに決まってんだろお!!〉

ロコの攻撃により確実に陸人の傷が増え続ける。

〈はっ!!受け切れてねぇぞ!!〉
「チッ…」

陸人はロコからの攻撃を全部を受けてるつもりだが傷を負っていった。

〈終わりだ〉

ガンッ―――

ザシュッ――

陸人は刀を弾かれてロコの攻撃を正面からくらった。

「つっ!……」
〈ははっ!!遅いし弱いしつまんねー奴!!〉
「!」

香姫は始解をしたままの刀を握りしめたが陸人にそれは悟られる。

「お前は絶対手え出すなよ!!」

男の叫び声からはまだ戦える…と言っていたかのようで香姫は何も言わずに心の中で応援する。

〈助けてくれじゃねぇのかよ!!〉
「チッ、ざけんなよ…てめぇの攻撃 分かったぜ 見えてる刃意外に隠れてる刃があるな」
〈分かって死ねてよかったなっっ!!〉

ロコは刀を大きく構え陸人に向かって振り下ろした。

「!」
〈死ね!!〉


ガガガガッッ―――


地面にはいくつもの亀裂がつき砂煙が舞ったが、男の姿はなかった。

〈なにっ!!?〉
「馬鹿が…同じ攻撃そう何度もくらうかよっ 仇だ死ねっっ!!」

男はロコの背後に立ち刀を何回も振った。
連続で止まることのない攻撃にロコは何も出来なくて倒れた。

〈ギャアアアアア!!〉

ロコはいくつもの切っ先を受けて苦しみながら消えていく。

「ハァハァ…っ…ハァ」

男は地面に倒れ込むように仰向けになると、斬魂刀もそのままに眠ってしまった。
そんな男の周りには結晶があたり一面に広がる。

その男の顔を覗き込み、香姫は「良かった」と微笑んだ。





―――1時間後


「…!!」

男は目を開けた瞬間に驚く。
10pぐらいの距離で香姫の顔が目の前にあったのだ。

「…オイ?」
「…」
「…寝てんのか……」

男は辺りを見回す。
人が住んでいる気配は無く、外からは雨の音がしていた。




次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ