BLEACH 零

□それぞれの見方…
2ページ/7ページ


女の上空には雷雲がどんどん広がっていき辺りは真っ暗になった。

「物理攻撃が効かない?…」
〈そういうこと! あはっ、だから誰も殺せない あんた達に教えてあげてもいいわ 私は麗奈様の配下、ラ・エンペラトリスよ〉
「フッ、俺をなめるな」
〈あはっ! あんたの片足動かないくせに何言ってんの〜?〉
「紫堂副隊長!?」

仁はエンペラトリスの奥にいる薫を見た。

「これぐらい問題ない」
〈わたし男が好きなのよ だからメインは後で まずはあんたよ あはっ!〉

エンペラトリスはクルッと振り向き仁の顔を見て不気味に笑った。

「!!」
〈死ねっっ!〉

バチッッ―――

「…っ!!」

仁は刀から強烈な痺れが両手を襲いほんの一瞬油断してしまう。

〈あはっ〉

ドカーン
バチ…バチバチ―――

エンペラトリスが刀を振り下ろすと雷が仁の上に降ってきて、香姫と陸人からの位置だと直撃に見えた。
そしてあたりは煙に包まれる。

〈…残念〉
「無事か?」
「…はい」

煙が晴れると薫が仁を抱えて立っている姿が見えた。
二人の周りにはたくさんの煙が覆っていてバチバチと耳障りな音も鳴っている。

「紫堂副隊長、足…」
「これぐらい何とも無い 仁こそ手は」
「私も平気です」
「そうか…」

薫は仁を降ろして斬魂刀を構えた。
エンペラトリスはその隙に地上にいる姫達の前に現れて攻撃をする。

〈あはっ!〉
「!!」

バチバチと嫌な音が鳴り響き、香姫と陸人は攻撃を避けたが陸人は右の手足に痺れが残った。

「陸人っ」
「平気だ…」
〈あんたは要らない 弱い男には興味がないの〉

エンペラトリスは陸人に向かって大きな雷を落とす。

「っ、くそ」

陸人はそれを避けようにも足が動かなかった。そんな陸人を香姫は瞬歩を使い抱えて避ける。

避けた先で薫が香姫達を護るように立って背を向けた。

「大丈夫ですか」
「平気です」
「…すみません (畜生…なんで動けねぇんだよ……)」
〈どうせみんな死ぬんだから逃げないでよね あはははっ〉

上機嫌に高々笑うエンペラトリス。
薫はやれやれとため息をついて、不適に笑った。

「貴様は俺が殺してやるから少し静かにしてろ」
〈あはっ! あんたに私を殺せるわけないでしょ〉
「フッ…さあな」

小馬鹿にした態度で薫は鼻で笑う。

〈いい男だったのに…もういい 死ねっ!!〉

エンペラトリスの斬魄刀の周りにはバチバチと音が飛び交う中、薫は真っ直ぐエンペラトリスに向かっていった。



次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ