etc…

□ある晴れた日に…
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〜廊下〜



「ヒナタ おはよ」

シカマルはヒナタを見つけ、壁に寄りかかっていたのをやめ、隣に並んで挨拶をした。


「おはよう シカマル君‥いつも早いね?」

ほわっと笑うヒナタ。


「遅刻すると母親がうるせ〜んだ 言われるのメンドくせ〜から早く出てる」

「くす シカマル君らしいね 私のクラスは1時間目から小テストなんだ」

「何の?」

「数学…」

テストを思い出して、少し前かがみになるヒナタ。


「へぇ そりゃ大変だな」

「ぁ…シカマル君成績良いよね?…あ、あの…始まるまで勉強教えてくれる?」

シカマルの方へジッと可愛らしい顔をして見上げるヒナタ。


「・・オレでいいなら」

「あ、ありがとう!」

ニコッと笑うヒナタ。


「!」

その姿にどきっとしながらも、教室へと向かうシカマル。


「!‥なぁ? 準備室でやらねえか? 教室だと俺らクラス違うし…(…誰かが邪魔してきてメンドくせ〜し)」

シカマルは突然に思いつき、ヒナタに尋ねた。


「あっ、うん…そうだね…準備室に行こ」

ヒナタはテストで頭がいっぱいで、早く勉強したかった。





〜準備室〜


机が無造作に置かれた部屋。

一つの机にヒナタを座らせて、シカマルは椅子を移動させて、ヒナタの机の前に横につけて座った。


「で? 8組って数学どこまで進んでんの?」

「えっと…」

少しおろおろしながら、鞄から教科書を出そうとするヒナタ。

長い後ろ髪がサラリと前へこぼれる。


「…」

シカマルはそんなヒナタを机に肘をつけながら、見つめていた。


「シカマル君…」

ヒナタはさっきよりも困った顔をして、シカマルを見た。


「なに?」

「教科書…忘れてしまったみたい……」

「はぁ?……メンドくせ〜」

シカマルはメンドくせ〜といいながらも、自分の鞄から数学の教科書を出して、ヒナタに渡す。


「ご、ごめん、ありがとう」

「いいから…それで?」

シカマルは教科書に目をやる。


「あ…えと………53Pからなんだけど…」

ヒナタはパラパラと教科書をめくり、シカマルに見せた。


「あ〜、そこなら分かるぜ 基礎は分かるか?」

「う、うん」

ヒナタは自信なさげに答えた。


「ならここの応用問題解いてみろよ 解き方みてやるから」

「分かった…」

ヒナタはシャーペンを用意して、ノートに解き始める。

シカマルはボーっと空をみていた。





――――――――――



「シカマル君、できたよ」

「ん、」

シカマルは気のない返事をして、ノートを覗く。


「……何だ 解き方出来てんじゃん 答えが最後のココ……足し算ミス」

「え? …」

シカマルに指で指された場所を見て、ヒナタは消しゴムを使って直す。


「正解」

シカマルは直した答えを見て、言った。


「ほんと? 良かったぁ 〜」

「解き方きちんとしてるし、分かんない所あんのか?」

「えっと…ここは平気…数学は苦手なのだけど、先生が丁寧に教えてくれるから……でも、私出来なくて…何だか悪くて質問しづらいの…」

「数学? イタチ先生か?」

「うん‥」

「へぇ…(ややこしい考えもってんな…)」

シカマルは逆にヒナタの思考に驚く。


「だから‥家でも頑張ってきたんだ! シカマル君に見てもらえて良かった」

ニコッと微笑むヒナタ。


「!」

シカマルは思わずドキッとした。


「ヒナタ、あのさ‥数学で分からない所があったらオレにまた言えよ 教えてやっから」

「ありがとう!! そうするね?」

「ああ‥」

シカマルはヒナタに優しい笑顔を向ける。




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