etc…

□月下の誓い
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「!」

ユフィは、軽々とルルーシュが動いたので、反動で抱き止める形となった。


ドンッ―――


ユフィはルルーシュの胸板に顔がぶつかる。


「いた…」

ユフィはぶつかってから顔を離して、ルルーシュを見上げた。

ルルーシュはというと、はぁ…とため息をつきながら、自分の目の前にいる義妹の顔をジッと見ていた。


「…大丈夫か?」

「ええ、少し鼻が痛いですけれど大丈夫です」

「全く…」

ルルーシュはそう言って、ユフィから離れようと肩に手を置いた。


「待ってルルーシュ!…」

ギュッとユフィはルルーシュを離そうとせずにまた抱きしめた。


「! どうした?」

「わたくしと約束して下さいな 離れたらシュナイゼルお兄様の元へ一緒に行く…と」

ユフィは可愛らしい顔をして、ルルーシュを見上げた。


「…あ〜もう、俺の負けだよ、行くよユフィ」

呆れながらルルーシュは言った。


「では、離してさしあげます」

勝ち誇ったようにユフィは言った。


「ありがとうございます姫」

チュッ―――

ルルーシュはからかいながら言いつつ、ユフィの頭に手をおいて、おでこにキスをした。

そうして、ユフィから離れた。


「ふふっ」

ユフィは嬉しそうに微笑みながら、ルルーシュの隣に並び腕を組んだ。





――――――――


部屋に入ると、机には紅茶とクッキーが用意されており、そこにシュナイゼルは座っていた。

扉を開けてすぐにルルーシュは立ち止まり、その横にユフィも立つ。


「お呼びですか? シュナイゼル兄上」

嫌そうにルルーシュは言った。


「ルルーシュ ユフィ」

ニコッと笑いながらうシュナイゼルは持っていた時計をチラリと見た。

そして、タイミングよく横の扉からコーネリアとクロヴィスが出て来る。


「!」

ルルーシュは何事かと驚く。


「19分か…シュナイゼル兄上の勝ちだな」

クロヴィスはあ〜あ、と、ため息をつきながらシュナイゼルの斜め横に座った。


「フン…あと1分遅ければ良かったものを…」

コーネリアはルルーシュをキッと睨んでから、クロヴィスの横に座る。


「っ〜〜シュナイゼル兄上!!」

わなわなと怒りがこみ上げ、ルルーシュはカッとなってシュナイゼルに檄を飛ばす。


「何だい?」

「また俺を使って賭事ですか!」

「用事があるのは本当のことだよ ただ、待っている間の余興にしてもらったけれどね」

「!…時間を賭けていたみたいですが、俺が来るとは限らないでしょう」

ルルーシュはムッとしたが、冷静に言い返した。


「それはないよ」

シュナイゼルははっきりと言った。


「なっ…」

「私はユフィに頼んだのだからね ルルーシュならば必ず来るさ」

ニコッと笑うシュナイゼル。


「っ〜〜」

そんなシュナイゼルにルルーシュは何も言えずに黙ってしまう。


「さ、それよりもお茶にしよう 美味しいお土産を用意したんだ ルルーシュもユフィも座りなさい」

「まあ、ありがとうございます ほらルルーシュ、ふてくされていないで座りましょう」

ユフィはルルーシュの腕を引っ張り、席につく。


その後、5人のお茶会は和やかに楽しく終えた。




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