etc…

□月下の誓い
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―――ある日の夜


ユフィはルルーシュの家に泊まりに来ていた。



コンコン――


「ルルーシュ 起きていますか?」

ユフィはルルーシュの寝室の扉をノックして声をかける。


「?…」

ルルーシュはパソコンを閲覧していたが止めて、扉を開ける。


「ユフィ、こんな時間にどうしたんだ? ナナリーと一緒に寝るのだろう?」

「あの、今日はルルーシュとご一緒でもよろしいですか?」

「は? 何を言っている」

「枕も持ってきましたし、平気です!」

ユフィは枕を抱きかかえて、ニコッと笑いルルーシュの横を通る。


「おっ、おい…」

ルルーシュはユフィの姿を目で追う。


「……」

ユフィは黙ったまま、ルルーシュのベッドの上に枕を抱えてギュッと座る。


「…ユフィ?」

ルルーシュは不思議がりながら扉を閉めて、ベッドの横のある椅子に腰掛けてユフィを見る。


「怖い夢を見ました…」

ユフィは頭を下げたままだった。


「夢?」

「わたくしとルルーシュがかくれんぼをしていて……探しても探しても見つからないんです」

「何だ そんな事で…」

ルルーシュは安心して、肘をつき、顔に手を添えて足を組む。


「わたくしにとっては一大事なのです!! 本当に怖かったのですから…」

ユフィはギュウッと枕をまた強く抱きしめた。


「…ユフィ? 俺はここにいるだろう」

ルルーシュは立ち上がり、ベッドに腰掛けてユフィの手を触れる。


「…ルルーシュ、ずっとわたくしの側にいて下さいますか?」

「ああ、勿論さ」

ユフィの問いかけに、ルルーシュはまた子供のような事を…と思いながら、優しく返事をした。


「それは、兄としての答えでしょうか?」

ユフィは顔を上げて、ルルーシュに視線を向けた。


「!」

ルルーシュは驚いて、手をそっと離してしまう。


「ルルーシュがわたくしに優しい事は知っています でもそれは、妹として接してくださっているのに、自惚れてしまうのです…」

「妹?」

ルルーシュはピクッと眉を寄せる。


「妹としてでもわたくしはいいのです でも、はっきり言いたくて…「馬鹿かお前は」

呆れて言うルルーシュ。
はぁ〜っと、大きなため息をしてからユフィの目から視線をずらす。


「?…」

「好きでもない女に振り回されて黙っていられるほど俺は大人じゃない それに、俺だけに見せる表情を他の奴に見せてやる気もない」

ルルーシュはユフィを見て言った。


「え…?」

ユフィは分からずにきょとんとしていた。


「だっだから・・、俺はユフィに対して好意を持っているということだ」

顔を少し赤面しながら言い終えたルルーシュ。


「…ルルーシュっ……」

ユフィは枕を横に置き、ルルーシュに抱きつく。


「!……ユフィこそ、俺を男として見ているとは思わなかったぞ」

ルルーシュは嬉しそうにユフィの髪を撫でながら話す。


「あら?…それを言うのならわたくしの方ですわ」

ユフィはルルーシュから離れて、顔をジッと見つめる。


「?」

「ルルーシュったら、わたくしよりチェスでお兄様達と遊んでいる方が楽しそうなんですもの!」

「そ、…そうか?」

ルルーシュは心底嫌そうな顔をした。


「ええ…、それにわたくしと一緒に出かけても、帰る頃には疲れた顔をしています」

「兄上達はともかく、チェスについては否定はしないが、…出かけて疲れるのは当たり前だろう!
ユフィが俺の体力を考えずに予定を組み込ませるからだろ」

「まあ…でしたら、その時々で断ればよろしいのに」

あっさり言いのけるユフィ。


「仮にも惚れている女性の前でそんな事出来るわけないだろ!!」

「まあ、ルルーシュらしいです」

クスクス笑い出すユフィ。


「・・っ」

ルルーシュはカアッと顔を赤くさせる。


「では、これからはきちんとお話しくださいね ルルーシュ」

「はは…全く…」

ルルーシュは顔に手を添えて、はぁ…とやりきれない感じで苦笑する。


「ルルーシュ…」

「ん?」

「約束して下さいね わたくしの隣にずっと居てくださる事を…」

ユフィは真面目な顔をして、ルルーシュに言った。


「Yes,Your Highness」

ユフィの手をソッと取り、ルルーシュは手のひらに口づけをした。




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