etc…

□ハッピーデイズ
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2人は会話を続ける。




「私はいつもこの時間のバスだよ」

「へえ……(知ってるけどな だから今日は急いだし)」

「シカマル君は今日は日直?」

「いや……、ヒナタ これ」

シカマルは鞄から小さな小包をヒナタに渡す。
前にいるネジには会話は聞こえるが、よく分からなかった。


「え?」

「バレンタインのお返し 明日は学校ねえし、今日の内に渡したかったからよ」


(何っ!?シカマルの奴)

ネジは膝の上に置いてある鞄に力を入れる。


「わあ、嬉しい……でも、いいの?」

「ああ、気にすんなよ」

「ありがとうっシカマル君」

「…ああ」

ヒナタの笑顔を見て、シカマルは満足そうに窓の枠に肘をつき外の景色を見た。
ヒナタは鞄に大切そうに仕舞う。


「そうだ、日曜日に大会あるんだよね いのちゃんが教えてくれたの」

「へえ、あいつが」

シカマルは肘をついたままヒナタの方へ顔を向ける。


「シカマル君、応援に行くね」


(ヒナタっ……またすぐそういう事を)

ネジの鞄の形が変わっていく。


「別にいいよ、それに野球部は明日試合だろ」

「うん、でも私が出るわけじゃないから」

にこにこ笑ってヒナタは言う。


「将棋見てても分かんねーだろ?」

「う、うん……でも、お弁当なら作って行けるから、…ダメかな?」

「まあ…別にいいけどよ (どうせ、キバかシノかネジ先輩も来そうだし)」

「良かった! 場所と時間を教えてくれる?」

「ん……ああ、なら後でメールするわ 着いたぞ」

チラリと外を見て、キバは肘をついているのをやめる。


「あ、うん 分かった」

ヒナタは人を見て立ち上がり歩く。
その後ろにシカマルはついていくが、ネジがヒナタの後ろに割って入り、そしてシカマルに殺意のこもった視線を飛ばした。


「げ……めんどくせえ」

ぼそりとシカマルが言った。


「ヒナタ、土曜日は試合なのか」

ネジは外に出て何もなかったように、ヒナタに尋ねた。


「あっはい、ですから土曜日はすみません」

「ああ、いいよ じゃあな」

「はい」

ヒナタはネジを見送り、まだバスの中にいるシカマルへと振り返った。


「あ、サクラちゃんおはよう」

「おはようヒナタ 乗ってたのね」

「うん、いのちゃんは?」

「今日は乗ってなかったみたい」

「サクラちゃーん! おはようってばよ」

後ろについたバスから1番にナルトが出てきて、大声で走ってくる。


「うるさ……私、先に行くわ」

はあっとため息をついてサクラはすたすたと歩いていく。


「あ、うん」

「サクラちゃーん!! おっ、ヒナタおはよ」

ナルトは走りながらヒナタに挨拶をした。


「お、おはようナルト君」

ヒナタはナルトの背中に挨拶した。


「なんだあ、あいつ?」

「朝から元気でいいね」

「そうかあ?」

シカマルは朝から騒がしいだけだと言いながら、2人で歩き始めた。




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