etc…

□おそろい
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3人はそれぞれ紅茶に口をつけた。

「さて、気に入るといいんだが…ルルーシュ どうだ?」

コーネリアが先に隣に置いてあった袋から一着服を取り出した。
洋服は紺色の女性用チャイナ服。

ルルーシュは力強く一語ずつ「姉上」と言って、キッと睨みつけた。

「ああ、そういうのもいいね さて、私の方は…どうかなルルーシュ?」

シュナイゼルが相変わらずの笑顔で袋からコトリとカチューシャをまず机に置いた。
明らかに猫耳付きの‥そして、ピンクのヒラヒラメイド服を取り出した。

ルルーシュはその服を見て、今度は力強く「兄上」と言う。

「まあ、かわいいです!」

ルルーシュは「俺は絶対に着ない」と言おうとした時に、テラスへ続く扉が開いてピンク色の髪をふわりとなびかせてユーフェミアがやって来た。

ユフィはルルーシュの隣にちょこんと座る。

「ユフィ?どうしたんだ?」

「明日の予定を決めようと思いましてルルーシュに会いに来ました」

にこりとユフィは笑って優雅に紅茶のカップを持ち上げた。

「明日?」

「お約束した映画を観に行く日です…ルルーシュ お忘れですか?」

持ち上げたカップを口に運ぶ前に静かに元の場所に戻し、ユフィはじっとルルーシュを見て返答を待つ。

「いや、映画の約束は忘れてない…が、その、日にちまで決めたか?」

「決めました わたくしの手帳にはきちんと書いてありますもの」

「そ、そうか…」

「もう予定をいれてしまいました?」

シュンと悲しそうな顔をするユフィ。

ルルーシュは慌てて「予定はない」と言った。

「そうですか 良かったっ」

にっこりとユフィは手を合わせて笑う。

その姿にルルーシュはふうっと息をもらして安堵した。

そのやり取りを静かに見ていたシュナイゼルとコーネリア。
二人はユフィがいると静かになる。

理由は簡単。

ルルーシュがユフィに弱いことを知っているからである。

ユフィが居る時のルルーシュはユフィにばかり気をとられてしまうので話しかけても上の空。
からかう側としてはつまらないというわけだった。

ルルーシュがユフィに謝り、あとで予定を決める事を約束した。

「シュナイゼルお兄様 お久しぶりです」

「ああユフィ、久しぶりだね 元気そうで何よりだよ」

「はい」

「兄上、そろそろチェスを始めましょう」

ルルーシュはチェス盤を取り出してテーブルに広げ始める。

「うん、そうだね」

シュナイゼルはチェス盤の真ん中に用意された駒を自分の陣地に一つ一つ並べる。

その様子をコーネリアとユフィが見守る形となった。

「お姉様もこちらにいらっしゃるなんて嬉しいです」

「ああ」

「さて、罰ゲームはどうする? ルルーシュ」

にこりとシュナイゼルは余裕の笑みを浮かべ、一度足を組み替えた。

「俺が勝ったら今までの写真のデータを全て削除して頂きます」

「分かった では、負けた場合はこの二着を着てもらおうか」

シュナイゼルはコーネリアに「いいかな?」と尋ねると、コーネリアが肯いた。

「お兄様、ルルーシュが負けた場合はわたくしがどちらか着用します」

「ユフィ 何を言って「ルルーシュは勝ちます!」

ルルーシュの言葉を遮ってユフィははっきりと断言した。

その場にいた3人はなぜそんな自信があるのか分からなかったが、ユフィに逆らえるものはいない為、静かにチェスのゲームはスタートした。




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