etc…

□夏祭り
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〜一楽〜



三人が到着して中に入ると、ちらほらいるお客に混じってシカマルが一人座って居た。


「「シカマル(くん)」」

キバとヒナタが彼の名を呼ぶ声が重なる。

シカマルは一瞬だけ嫌そうな…ではなくて、めんどくさそうな顔をしたが「よう」と挨拶した。

そして三人が座れるようにさり気なく席を移動し、シカマルの隣にはヒナタが座る。


「久しぶりだね 一人なの?」

ヒナタがにこりと微笑む。


「ん? ああ」

シカマルは無邪気な笑顔のヒナタを見て少し口角が緩んだ。
それを隠すように水を飲んで、あとから来たキバ達はラーメンをそれぞれ注文した。

待っている間、四人は周りの仲間の情報や任務の話しを始めて盛り上がる。

そして、ラーメンが運ばれた。

ヒナタにはラーメンと別にチャーシューが何枚かのった器が置かれた。


「何だそれ?」

キバが不思議に思って尋ねる。


「赤丸くんにチャーシューあげようと思って ここのチャーシューおいしいから」

にこりと笑って、ヒナタは器を持って外に出る。


外からは赤丸の嬉しそうな鳴き声がした。


「ヒナタらしいな」

しみじみシカマルが言う。


「だよなあ〜……そうだっ! シカマル、ヒナタは誰にも渡さねえからな!」

「!……あっそ」

シカマルは面食らった顔をして、すぐにめんどうくさそうにふいっと顔をラーメンに向けて食べ始める。


「お前はヒナタ狙いじゃねえみたいだな!」

安心したようにキバが言った。


「さあな」

意味深に笑ってシカマルは答える。


「げっ、やっぱりシカマルもかよ…これ以上ライバルはいらねえっつーのに」

「ライバルっつーと、あー、ネジとシノか?」

「その…多分カカシ先生も」

「はあ?」

シカマルは箸を置いてキバの方を向いた。


「紅先生の代わりに8班はカカシ先生が入っただろ? それで、なんか怪しいっつーか」

「へえ」

シカマルがぼそりと呟くと同時にヒナタが店に戻って来た。


「ありがとなっヒナタ」

キバがぐるりと後ろを向いて、歩くヒナタにニカッと笑顔を向ける。


「ううん、いつも赤丸くんお留守番だから……喜んでくれたかな?」

「ああ! めちゃめちゃヒナタを誉めてたぞっ!」

「そっか 嬉しいな」

ふふっとヒナタは微笑む。


「ラーメン冷めるぞ ほら、チャーシューやるよ」

シカマルがスッとヒナタのラーメンにチャーシューをのせた。


「あ、ありがとうシカマルくん」

「好きだろ?」

「うっうん!」

ぱあっとヒナタは嬉しそうに笑った。

シカマルは興味なさそうにヒナタをチラリと見てから、残りのラーメンへと手をつける。

キバとシノはさり気なくヒナタの好感度をあげるシカマルに、警戒することにした。




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