BLEACH

□優しい方
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二人は向き合う形になり、ルキアが白哉にぺこりと頭を下げる。


「兄様、それでは行って参ります」

「うむ…ルキア?」

「?」

「今日は予定はあるか?」

「いえ、ありません」

「ならここで待っていろ」

「?」

ルキアはなぜ?という顔をして、白哉を見る。


「…迎えに行く」

「は…はい!」

「では行ってくる」

!「行ってらっしゃいませっっ」

ルキアは慌てて頭を下げる。


白哉は瞬歩を使い、すぐその場からいなくなった。


「……」

ルキアは上体を起こしても、その場をしばらく動かなかった。


「(兄様と…兄様と…初めて待ち合わせ…)」

自然と顔がにやけてしまうルキア。


「(……でも、なぜ兄様は今日は聞いてきたのだろうか?
いつも兄様は帰る時には待っていてくださるのに………?……駄目だ…さっぱり分からぬ…)」

ルキアが黙々と考えこんでいる中、突然頭をポンッと軽く叩かれる。


「わっ!?」

「なーにボケッとしてんだよ」

スッと見上げると、目の前には阿近が立っていた。


「阿近さん!?」

「隊舎に入らず何ボケッとしてる」

「少し考え事を…」

「へぇ…てか、隊舎に入ってから考えろよ」

阿近は笑いながら、ルキアの頭にポンッと手を軽く乗せた。


「!やめてください!」

「ハァ? チビなんだからしょうがねーだろ?」

「阿近さん!!」

パシッ――


ルキアは手を振り払い、隊舎にそのまま入って行った。


「なんだアイツ?」

阿近は変な奴…と思いながら、自分の隊舎へと歩いていった。




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