BLEACH

□蒲公英
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「じゃっ、1日おきにします!」

恋次がそんなルキアを見て、笑いながら白哉に言った。


「…」

怪訝そうな顔をする白哉。


「私もよろしいですか?」

すかさずルキアも顔をあげて白哉の顔を見る。


「……好きにしろ」

白哉はそう言うと窓の方を見る。


「あ、ありがとうございます」

ルキアはニコッと笑う。


「それじゃ隊長、また明後日に 何か隊にあればすぐ来ます」

「ああ」

「兄様、失礼します」

ルキアが先に病室を出る。


「俺も失礼します……隊長?ルキアはすっげー心配してるんスよ」

病室から出ようとした時に恋次がそう言って扉を閉める。


「……」

白哉はジッと窓の景色を見たままだった。





〜六番隊隊舎〜



「隊長と何か近くなったみたいだな?」

「…ああ、元々お優しい方だからな」

「へぇ…」

「それはそうと! 近頃貴様こそおかしいぞ? まだ怪我の具合がよくないのではないか?」

「あ? 別に俺は変わらねえだろ」

「いや、最近は上の空だ もしや貴様、私が無事で安心しているとでもいうのか?」

にやけ笑いをしながらルキアは恋次を覗く。


「・・そうだぜ」

!?「っ…何をする!!?」

恋次は躊躇ったが、横にいるルキアを引っ張り優しく抱き締めた。

ルキアはからかったつもりなのに、本気で驚く。


「ルキア、お前が無事で良かった」

恋次は耳元でそう囁くと、ルキアから離れ、廊下を歩き始めた。


「…恋次」

後ろ姿の恋次をルキアはずっと見続けた。


(俺はルキアが無事ならそれでいい……だから一護と現世に行こうが、付き合おうが…いいぜ 俺は応援する)

恋次は一人決心していた。


ドタドタドタ…


「恋次!!」

ルキアは勢いよく走り、恋次の名を叫ぶ。


?「…へぶっ!」

恋次は後ろを振り向いた瞬間、顔面に蹴りをくらう。


「っこの…たわけっ!!」

?「ああ??」

恋次は訳が分からずルキアを見た。


「私は貴様のことを気にしているのだぞ!!あの戦いの中、貴様の魄動が消えかけているのを知って…どんなに心配したか!!
何も出来ない自分にどんなに歯がゆい思いをしたか!!……っっ貴様に分かるか!!?」

ルキアは大声でどなる。


「分かんねえよ」

恋次は冷たく言った。


!「そうか……貴様なぞもう知らぬ!!」

ルキアはフイッと後ろに振り向き、走り去る。


「くそ…分っかんねえよ……」

恋次はボソッと呟いてから、ルキアを追いかけた。


「ルキア!」

「っ…離せ!!」

恋次は後ろからルキアの腕を掴んだが、ルキアは激しく振りほどいて恋次を見ずに立ち止まる。


「そのままでいいから聞けよ…」

恋次はグッとルキアの両肩に手を置いた。


「?…」

「俺はてめえが好きだ…無事で良かったと本気で想ってる。
だけど…一護とてめえを見てるのは辛いんだ!しょうがねえだろ」

「っ!?」

「もういいだろっ」

恋次はイラッとしながら、ルキアから手を離す。

そして、そのままルキアの背から去っていく。


「……」

ルキアはその場に固まったままだった。




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