BLEACH
□※作成中※日向ぼっこ
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窓から差し込む光が
眩し過ぎて……
『日向ぼっこ』
〜教室〜
ルキアは机にうつ伏せている一護の肩をポンと叩く。
「起きろ一護 次は移動教室だぞ」
体をダルそうに起こして目を開け、教科書を机の中から取り出しながら辺りを見回すとチャド達はすでにいなかった。
「チャドは?」
「先に行ったのではないか? 私はA組に行っていたから知らぬ」
「そうか……(最近、気がつくとA組行くよな)」
ジッと一護はルキアを見上げる。
「何だ まだ寝ぼけておるのか 先に行ってしまうぞ」
「違えよ 行くか」
一護が席を立ち、二人は一緒に廊下を歩いて階段を降りていた。
すると後ろから慌ただしい足音が響く。
ルキアは階段を全部降りてから歩くのを止めて振り返った。
「ルキア?」
先に歩く一護は不思議に思って足を止めると、上から走って来た恋次が見えた。
「やはり貴様か」
「おう、ルキア! ここで会えて良かったぜ」
先ほどまでとは違い、今度はゆっくり階段を降りてルキアの前に立つ恋次。
「お前、これ置きっぱなしだったぜ」
そう言って恋次は教科書をルキアに渡した。
「あ…すまぬ」
「別に、後で雛森に礼言えよ 気づいたのは雛森だからな」
「分かった それにしても、貴様の足音は騒がしいな すぐに貴様だと分かったぞ」
クスリと笑うルキア。
一護は斜め後ろから、そんなルキアを複雑な気持ちで見ていたのだが、恋次に話しかけられてハッとした。
「オイ、元気ねえな どうした?」
「あのな、恋次みたいにいつでもやかましい人間じゃねぇんだよ」
「あははっ、全くだ このたわけっ」
「てめっ」
恋次は一護に突っかかるつもりだったが、ルキアの方が近かったので、ルキアの頭に手を置いて髪をグシャグシャにした。
「なっ何をする!」
「似合ってんぞ ルキア」
ピタリと手を止めて、わざとらしく恋次が言う。
そうして二人の言い合いは始まった。
一護は黙って見ていたのだが二人が気づかないほどの小さなため息をつく。
そして予鈴が鳴った。
「うおっ、やべえ じゃあな! ルキア、一護」
「ああ」
「おう」
二人の返事を聞かずに恋次は階段を猛ダッシュで走って行く。
一護達も階段を背に特別教室へと急いだ。
「忙しない奴だな」
ルキアは一護に笑いながら話しかける。
「ああ」
「元気がないな 具合悪いのか」
「いや? っ…ルキア、髪すげえことになってるぜ ジッとしてろ」
チラリと見たルキアの髪型に、クスッと一護は微笑しルキアの前に立って、妹達がいるためか慣れた手つきで髪を元通りにした。
(髪、柔らけえな つーか、黙んなよ 緊張すんな)
「……」
「終わったぞ」
「すまぬな」
「いや」
一護がまた先に歩き出し、ルキアはその横に続いた。
―――――――――
―――放課後
ルキアは一人、窓際の机に座って本を読んでいた。
その姿を一護は外から発見し、用もないのにわざわざ教室へと戻る。
廊下を歩いていると僅かに残る生徒達の笑い声が遠くから聞こえた。