Novel for NAGI
□眠れぬ夜は君のせい
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満点の星が広がる空の下。
私は一人、船首に居た。
いつもなら隣にいてくれるナギは
今夜は船長馴染みのレストランに連れられ
明日まで帰らない。
もしかしたら、娼婦館に連れて行かれるのかも…っと思い
出かけるナギのシャツをなかなか離せずにいたけど
『俺を信じろ』と強く抱きしめるナギを感じて
ナギを信じることにしたけど…
それでも、どこか不安は拭えない。
何より、恋人になってから
不寝番以外でナギが居ないのは初めてだ。
船のどこを探しても、ナギが居ない…
ただそれだけで、私の心は寂しさで破裂してしまいそうだった。
ナギの居ないベッドは、眠れそうになくて
一人、船首でただただ月明かりで少し明るい海と
満天の星空を見ていた。
ナギ…今、何してるのかな…
さっきまで一緒だったのに…
ほんの少し離れただけでこんなに寂しい。
いかに、私の体がナギで染まっているのか
それを思い知った気がして、余計に心が苦しくなる。
そういえば…昔、こんな歌があったなぁ…
まるで、今の私の願いみたい。
今、この場には私だけ。
ちょっと…歌ってみちゃおうかな…