Novel for NAGI

□眠れぬ夜は君のせい
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静かに風が吹く中。


私は静かに目を閉じ、思い切り息を吸った。






『静かな夜はあなたを



思い出してしまう



さっきまで 隣で笑い 話しかけてくれたのに』



(………ナギ)



『何も知らぬうちに 心が離れてしまわぬように』



(ナギ…どこにも行かないで…)



『窓の外に目を向けた 月が震えていた』





『今夜夢の中 どうか逢いに来て』


(ナギ…)


『その願いがもし叶うなら』


(ナギ…)


『寂しい夜など きっとないのにね』



(寂しい…寂しいよ…ナギ…)



『あなたの肩に触れた風の中』



『私の心に咲いてる 春の花を抱きしめて』



…………ナギィ!!!!!!




歌って、すっきりするかと思ったのに…



余計ナギが恋しくなって…



私は、しゃがみ込んで泣いてしまった…



ナギ…会いたい…



今、誰と一緒にいるの…?



夢だけじゃ嫌…



早く…帰ってきて…



いつも見たいに笑ってよ…



いつもみたいに、私を抱きしめてよ…



私以外の人を、抱かないで…




「うぅ…ナギ…ナギィ…」



しばらく、涙が止めどなく流れて止められなくて



なかなか動くことが出来なかった。
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