泡沫乱舞

□第五話
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〜海常高校校門前〜
螢は先程から自分に投げられる数多の視線を鬱陶しく感じながら、
先日手に入れた情報を元に体育館を目指していた。
海常に来る事は初めてだが、途轍もなく分かりやすい目印のおかげで迷うことはなかった。
それは・・・
キャーーーー、黄瀬くぅ〜ん
螢にとっては煩わしいもの、俗に言う黄色い声援というものだ。
それの目的地には必ずあの駄犬が居る。
そう思う彼女の勘はあながち間違いではない。



「やっと着いた。」
そう呟き素早い動きで人だかりを抜け、中に入る。
「あら?螢ちゃん、お久しぶりです〜」

「えぇ、一年振りですね。玻琉さん」

中学卒業以来、メールや電話などのやり取りしか出来なかった親友がスコアブックを持って、そこに立っていた。
「フフフ〜、螢ちゃんと直接話せる機会が来るなんて、嬉しいです〜」

「そうですね、普段はメールと電話でしたから」

「言いだしっぺは螢ちゃんですよ〜?
お互い違う学校のマネージャーになるなら、直接会うのは控えましょうって言ったのは・・」
忘れちゃったんですか?、そう言う玻琉に
「勿論覚えていますよ。私は桐皇、玻琉さんは海常。
それぞれの学校が不利になる事が無いように・・という理由付きで」
それから一言二言言葉を交わして、螢はギャラリーに、玻琉はチームメイトの下にそれぞれ歩を進めていった。
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