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□第壱話
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―――――――――――――――今年私が京で冬を迎えようと思ったのはただの気まぐれで、
今晩この時間、この道を歩いていたのもそう……
おんなじ気まぐれ……。
「……………ち…………血をよこせ!!」
ならばこれは私の運命なのでしょうか?
『な、なん…なの…』
ソレはただ異様に存在していた
「………ヒヒヒ…」
『!!!』
笑い、叫び、刀を振り上げ向かってくる彼らに私はうずくまり目を強く閉じた
(…あぁ、私しぬのかなぁ)
――ザシュッ
――ビチャッ
飛び散る赤、血の匂い、この光景を私は…
ふと、私の上に影が差した
?「逃げないでよ?背を向けたら斬るからね?」
首元に当てられた刀にむしろ生きていることを実感したのか、うっすらと微笑み意識を手放した…