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□第伍話
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太陽が傾き西の空へと沈んでいくころ…
(………………暇。)
かといってやることもないわけで
――――私の立場は自分でもよくわからない
だから下手には動かない
雪村は父さん探しで出てるみたいだけど、
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.
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「その腰の小太刀は単なる飾り物か?」
「そ…そんなことありませんっ でも刺したら斎藤さんは死んじゃうんですよ!」
...
『つまらない…』
(仕方ない、かー…生きてるだけまし?)
そもそも生きる理由なんて見つけられずにいるのだし、実際私の刀は飾り物
『………誰ですか。』
「僕だよ、透君」
『組長がなんの用で?』
「うーん、実はさぁ今日の巡察で…いろいろあって、今晩は山南さんのところで待機しておいてくれる?」
いろいろ…ね。
数えればもう半年も屯所にいるわけで、掃除なんかの雑用や雪村と食事を作ったりしてきている
女中ともある程度顔見知り
それでも詳しいことには一切関わっていない。関わらない。
これは"命令"だし
『わかりました』
なにより人と話すのは苦手
さぁ、新選組は動きだしたばかり
―――――――――私は彼らを知るべき?―――――――
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