shortnovel〜sweet〜

□ロマン
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新緑が涼風にざわめき、

突き刺さる太陽の光がてりつける。



イーストシティに、夏が来た。




暑さにぐったりとしたその男、
ハボックはうんざりとしていた。


暑い…暑い…めちゃくちゃ暑い…
あちーよっ!!


もう手に持ったうちわをあおぐ気力もない。

だらりと椅子の背もたれに体を預け、深く沈んでいた。


愛しい煙草もこんな日は机の中。


だが何より暑さを増すものは…


「少尉、しっかりしてちょうだい」

軍服をしっかり着こなし、てきぱきと仕事をしていく上司。


鷹の目、リザ・ホークアイ中尉


「なんで軍には夏服ないんすかーっ!!」


「そんなの知らないわ」


ぴしゃりと言い返され、涼しそうな顔で書類を整理していく中尉。

一方もう一人の上司は…


「死にそうだ…」


死にそうだった。


「中尉ーかえり」
「仕事してください」

「…君は暑くないのか」

「暑いです」


いってるわりには汗一滴も垂らさない横顔。まさに絶対零度。


諦めて机に突っ伏した状態で大佐がぼーっとし始めた。


仕事やりたくないといつもこれだ。


「ちゅーい、あれ」

指差して大佐の悪行?を中尉にチクった。


「はぁ…まったく、大佐」
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