□にしあい
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甘えるとき特有のへにゃって笑顔。
甘ったるい声。回ってない呂律。
ねぇ、まだ楽屋だよ?

「んー、あいりー。」

いやだから楽屋ですって。

「なんですか、中西さん。」

「今日同室だねぇー。うれしいねぇー。」

甘えたな中西さんはいつもの3倍くらい幼い。
まぁ、可愛いけど。

「そうですねー。」

ただ、正直いまは忙しい。

「なにその感じー。むー。」

ほっぺたを膨らませて拗ねたように見せてもいまはどうしようもないって。

「はいはい、ごめんね。」


いきなり隣からの声が全く聞こえなくなって、ついに怒ったかなと少しだけ心配になった。

右を向くとそこには目をつむって唇をとがらせている中西さん。
いわゆるキス顔?

「…優香さん。」

少し怒ったようにいったらその顔はやめてくれた。

「かまってくれたっていいじゃん。」

「いまは忙しいんです。夜ならかまってあげますから。」

「ほんとに?」

「もちろん。なにしたいですか?ハグ?キス?エッチ?」

途端に赤面してどこかへ逃げている中西さんの背中を見て今日は楽しめそうだと思った。




「あー、今日もつかれたねー!」

「そうですね。」

さっきまでの甘えたタイムもどこかへいっていつもどおりの中西さん。

「先お風呂はいっちゃおうかなー。」

「ん、その前にちょっといいですか。」

「ん?なに?」

油断して寄ってきた中西さんをすかさずベットに押し倒す。

「え、なになに?」

「ねぇ。中西さん?」

わざとニコニコしながら話せば怯えてるみたい。

「愛李どうしたの?」

「なんで楽屋であんなことしたの?」

「あ、お仕事邪魔してごめんね?」

全く目が合わない。
実際はなにも怒ってないのに。

「優香のあんな可愛い顔、他の人に見せたくないんだから楽屋であんな顔しないでよ。」

真顔でそう言えば中西さんの顔は一気に熱を持つ。

「あ、先にお風呂失礼しますね!」

おでこにキスだけ落としてお風呂へ向かう。
ちょっとした復讐。

お風呂あがったら楽しみにしててね。


end

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