□あい→れな→じゅり
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愛李side


外もシンと静まり返った真夜中の2時。
ホテルの部屋に玲奈さんと2人きり。

そんないいシチュエーションで玲奈さんから出てきた言葉はあまりにも予想外だった。


「ねぇ、あいりん。抱いて?」


涙目の上目遣い。ショートパンツに少し大きめなTシャツ。
うわぁ、えろい。...じゃなくて!


「珠理奈さんはどうしたんです?」


そう聞くと玲奈さんはうつむいてしまった。
瞳に溜まっている涙がいまにでもこぼれてしまいそう。


「あのね、振られちゃったんだ。やっぱり私はじゅりなにとって重かったらしくてさ。ほら、あの子遊び人じゃん?だから仕方ないかなぁって。」


あ、こぼれた。
話してる玲奈さんの瞳からひと粒涙が落ちた。


「そうなんですね。私が玲奈さんを抱いたら玲奈さんはなにか変わりますか?珠理奈さんを忘れられますか?」


真剣に。
なおかつ私の想いを乗せて。


「...うん。あいりんが抱いてくれたらじゅりなのこと忘れられるよ。」



言い終わるか終わらないかくらいで玲奈さんのか細い身体を引き寄せた。
これご飯とかちゃんと食べてるのかな?

心臓の鼓動が聞こえて心地良い。


「私、残念ながら珠理奈さんより上手じゃないんですけど大丈夫ですか?」

笑いながら言ってみると少しだけ玲奈さんの緊張がほぐれた気がした。


「じゅりなともしたことないよ。じゅりなが18になるまではってずっと我慢してたの。まぁ、それも無駄になっちゃったけど。」


あの珠理奈さんが?
真っ先にそう思ってしまったのはやっぱり珠理奈さんが遊び人で有名だからなんだと思う。

え、と言うことは...?


「玲奈さん処女!?」

思わず抱きしめていた身体を引きはがして顔を見るとそこには真っ赤になって怒る玲奈さんがいました。
申し訳ない...。


「えぇ、処女ですがなにか!?なに、あいりんもじゅりなみたいに処女は重いとか言うの!?」

普段あんなに大人しい玲奈さんが声を大きくしてこんなことを言ってるというのがなんだか可笑しい。

「そんなこと言ってないじゃないですか!」

笑いながら言っても睨まれるだけ。
いや、可愛いんだけどね!?

「玲奈さんが処女って聞いて少し嬉しいです。私、玲奈さんのこと好きですし。玲奈さんだってわかってて誘ったんでしょう?」

少し自嘲的すぎたかもしれない。
けどこれは私の本心で紛れもない事実。


「ごめんね?」


そんな顔で謝らないで。
そんな瞳で私を見ないで。


「謝らないでいいですよ。」


我慢できなくなる。


「あいりんのこと利用するって形になっちゃうのかもしれないよね。うん、やめよっか。忘れて?」

ここまできてお預けはないでしょ?
珠理奈さんごめんね、あなたの元彼女さんの初めては私がいただきます。

「忘れれるわけ無いでしょ?珠理奈さんのこと忘れさせてあげるからしよっか。」

衝動的に押し倒したけど、そこがちゃんと布団でよかった。
グッジョブ自分。

「え、あの、初めてだし...。優しくしてね?」

予想以上の破壊力。
こんなのを珠理奈さんに見せる予定だったのかと思うと少しだけ腹が立った。


「うん、優しくします。だから...感じてね?」
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