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□じゅりれな
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珠理奈side
もう後悔しても、遅い。
「じゅり、な…?」
衝動的に押し倒してしまった玲奈ちゃんを見てそう思った。
いまなら冗談にできるけどそうしないのは私のわがまま。
「玲奈ちゃんのこと好きなんだ。ずっと黙ってたけど。」
玲奈ちゃんの瞳が揺らぐ。
前から玲奈ちゃんが私のことを好きでいてくれてたのは知ってた。
そして、私も玲奈ちゃんのことを前から好きだった。
それなのにお互いなにもしなかったのは共通の理由。
SKEにまだいるから。
恋愛禁止って言うのはもちろん、私も玲奈ちゃんも付き合ったら仕事より優先しちゃうと思う。
それだけ本気だった。
「私も、じゅりなのこと好き…だよ。けどさ。」
「言わなくていいよ。心まで欲しいって言わないから一回だけ思い出ちょうだい?ちゃんと忘れるから…。」
これもただの私のわがまま。
「うん、いいよ…。」
ごめんね、玲奈ちゃん。
行為が終わって、押し寄せる後悔の波に私の心は着々と折れていく。
「じゅりな、気持ちよかったよ。ありがと。」
嬉しいのはもちろんだけどやっぱり後悔が大きくて。
「ねぇ、玲奈ちゃん…。」
「言わないで。」
謝ろうと口を開いた私の言葉を遮った玲奈ちゃんは布団にもぐってしまって表情はわからない。
「でも…。」
「わかってる。しちゃいけないことをしたのも全部わかってるんだけど好きな人と一緒になれた余韻にいまだけ浸らせて…?お願い…っ。」
あんなに強かった玲奈ちゃんが私の前で泣くなんて。
好きだからこそつらくなる。
1度交わってしまったならもう戻れない。
元の関係の二人には戻れない。
end