短編
□宝石
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『男が女に宝石を送るのは独占欲の表れ』
海外ではそう言われているらしい。
俺は来週からアメリカのハーバード大学に1年間留学することになった。
医者を目指す俺にとってはこれ以上にない有難いお話だ。
即決!………とはいかない。この日本には俺の大切な人が居る。
俺を孤独から救ってくれた彼女。
喜怒哀楽を惜しみなく表現して、危なっかしいところもあるけど、どんな人も彼女は精一杯の優しさで包み込む。
でも、かなりの寂しがりで…
そんな彼女を1年間置いて行ってしまってもいいものだろうか…
彼女は優しいから留学のことを話したら"行ってきなよ!"と俺の背中を押してくれた。
でも、寂しさや辛さが彼女の表情から見えた気がする。
俺自身彼女と離れることは辛い。いつ敵が襲ってくるか分らない。守護戦士達が居るにしても不安でしょうがない。
それに彼女の行動は他の男をその気にさせてしまう。
あの笑顔であったり天然なところであったり…
彼女にはそんな気が無くとも自然な行動や言動で好意を持たせてしまう。
それに加えてあのビジュアルだ。
男が惚れない訳がない。