No Innocence
□1題
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僕は今、転校先の学校にいる。だがしかし。ここで大きな問題が……
今僕は何処にいるのだろうか……はい、絶賛迷子中です。おかしい。何がおかしいってこの学校が広すぎる。
この学校の前にいた学校も相当頭がイカれているとは言ったらあれだが、普通の目から見てもそのおかしさは一目瞭然だ。だがこの学校もそれに匹敵、あるいはそれを上回る位にイカれている。
転校してきたわけだから、多少は早めに着てみた。だけどこの学校の広さを前もって知っていれば、僕はおそらくもっと早く来ていただろう。激しく後悔している。
つまり、それくらいこの学校が広いというわけなんだが。
問題が、そこなんだ。
転校、つまりは職員室に当然向かわなければならない。しかしそれが何処にあるか分からないし、ましてや現在地すら分からない。
ああ、一体どうすればいいのか。
もう彼此20分程度校内をうろついている。
誰か、助けて欲しい。本当に切実に。
そんな僕の願いが通じてか否か、目の前に男子生徒が現れた。
神様マジで感謝するわ。
そんな言葉を胸に留めながらその男子生徒に声を掛ける。
「すいません。職員室の場所を教えて欲しいのですが」
「職員室?別にいいけどよ……なんでまた職員室なんだ?」
「ああ、転校してきたんです。だからこの学校の事何にも分からなくて…」
そう申し訳なさそうに眉を下げて言えば、人に親切そうな彼はきっと教えてくれる。いや、必ず。
「ああ、そうなのか。だったら連れてってやるよ!」
神様感謝どころじゃないよこれは。
何してほしい?神様。なんだったら今度おにぎりでも供えて……
神様への供物を何にするかを頭の片隅で考えながら、彼と談笑を交えながら目当ての場所へと進んでいく。はずだ。
彼の肩にあるあのものだけを必死に視界に入れないように。