No Innocence

□2題
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僕は今何処へ向かっているのか。
そんなことを訊くなんて愚問だと思う。サボる=あの場所、学校の最上階に存在する楽園だ。まあ、簡単に行ってしまえば屋上。あそこが一番落ち着く。誰にも干渉されることのないあの静かな雰囲気が好きなんだ。

今もこうしてその楽園へ向かうためにただひたすら足を進めている。

ぶっちゃけると、その楽園の場所どころか現在地すらも定かではない。だが、屋上と言う位だからとりあえず階段を一番上まで登っていけばつくんじゃね?というなんとも安易な考えに至って行動している。いや、この考えが間違っているとも思わないのだけれど。

そうしてただ只管に足を進めていたら、おそらく楽園へと続くだろう扉を見つけた。何故そんな判断ができるのか。そんなもの、至極簡単だ。階段が此処で終わっているから。

やはり、初めて来る場所は些か緊張する。それを感じながら、そっとドアノブを回してみた。



「……着いた」



以前の学校でも屋上には入り浸っていた。だが、初めて目にするそれはやはり新鮮だ。
見たことも無い空。

ただ、周りに誰も居ない事を執拗に確認し、そっと一息つく。





慣れない環境は、本当に怖い。
何が怖いと言われれば上手く説明することなど到底できやしない。だが、怖いのだ。
こんな愚痴を零してみれば、きっと僕の片割れはその恐怖の対象を理解してくれるだろう。
なんていったって、僕の双子の兄なんだから。


貯水塔の上に登って、空を仰いでみる。
ただ、只管に青かった。
その青さに、また僕は恐怖を感じてしまった。
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