短編
□…っていう○。
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氷帝学園テニスコート。
私の横には樺地がいる。
そして数歩先にはキングこと跡部。
樺地に、静かに私は言った。
「……行って、樺地」
「……ウス」
彼の顔を窺う事は生憎できないが、きっと彼は楽しみと不安をごちゃ混ぜにした様な表情をしているのだろう。
跡部に向かってゆっくりと走りだす。
「お、おい樺地止めろ!!」
「…跡部さんの命令でも、無理です」
「俺よりも名前を優先させるのか!?」
「……ウス」
樺地の走る速度は上がっていて、ほぼ彼の全開で。
そしてその速さのまま、跡部にタックルをした。
「ア゛ーーーーーっ!!!」
――ゴキッ!
跡部の叫び声と、骨が折れるような音がした。