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□プロローグ
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理不尽に振りかざされる拳。次々に吐かれていく暴言。それの理由は果たして本当の善であるのか、それとも唯の理想を元にされた偽善であるのか。
真実を知っているのは、その元凶と私のみだ
今を、真実だと思っている。起きている事が嘘だと疑う事などしない。
我々日本人が代々伝えてきた、「百聞は一見に如かず」という諺を是非とも彼らに教えてあげたいものだ。
私自身、このような扱いを受ける理由に心当たりが全くない。
あえて言うのならば、気が付いたらこうなっていた。それ以外に言いようがない。
ただ、元凶が全ての火種となっているのは事実だ。
あいつが来てから、全てが変わってしまった。
あの頃の彼らにはもう会う事などできないのであろうが、まだ私の中に彼らを信頼している気持ちがあるのは紛れもない事実であり、私自身認めている。
だが。
それとこれとは別なのだ。
これが始まって約1週間。
もしこのままの扱いがこれからも続くのであれば、それはもう想像するだけで言いようのない絶望感に苛まれてしまう。
希望は、捨てたくないものだな。
そう淡く願い、静かに今日という日の終わりを迎えるのだ。
事の発端は、あの日だったのだ。
今でも気持ち悪い位鮮明に覚えている。
そう……気味が悪い位に晴れ、空が青を見せていたあの日。