No Innocence

□6題
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あれから2日後、無事テストが終わった。
そしてテストも返却された。勿論、予告通り取った点はオール97点。我ながらよくやったと思う。
実はこれ、相当難しいことなのだと自分では思っている。テストには配点が書いていない物が多いため、自分の中で予想を立ててマイナス3になるように間違えなければならない。その個所以外で間違えることもしてはいけない。中々スリリングな遊びだ。暇つぶしには絶好の遊び道具なのだが。


「え、桔梗ちゃん全部97なの!?」

「何で知ってるの……まあ、そうだけど」

「桔梗ちゃんめっちゃ頭いいじゃん!今度勉強教えてよ…」

「気が向いたらねー。んじゃ、僕は失礼するよ」


一体何故見つかった。まあ問題ないのだが。
次は授業だ、勿論サボらせてもらう。






















昼休み。
周りが随分騒がしかったので理由を聞いたらテストの結果が張り出されているそうだ。
興味本位で見に行ってみたら思いのほか人が多くて良く見えない。


「あれ、桔梗ちゃんやん」

「侑士か……侑士もテスト見に?」

「あー……あいつのお供っちゅう感じやな」


彼の視線の先にはワインレッドのおかっぱがいた。明らかに無理矢理連れてこられた、という雰囲気なのでお疲れと言っておいた。

人が徐々に少なくなっていき、やっと紙が見れる距離になった。


「跡部様が負けたって!」


先程からそう口々に聞こえてくる。そんなに凄い人なのか……まあ興味はないのだが。

僕の名前は……あれ、どこだろ。


「……桔梗ちゃん、1番やで」

「へ?…おかしいな、そんな風にした筈はないのに」


そう言えば侑士が少し眉を顰めた。しまった、言葉を間違えた。だがこれは僕にとっては立派な娯楽。真剣にやる必要など微塵も感じられない。

一応自分の目で確認してみた。


1位 水月桔梗 485点
2位 跡部景吾 482点
3位 …………


……嘘じゃないみたいだね。本当に1位を取ってしまったようだ。


「……僕帰るわ。侑士、さっきの言葉に深い意味はないから特に気にしないで」

「お、おん…」


そう断って教室に帰ろうとした。
だが、どうやらそう上手くは行かないようだ。
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