No Innocence
□10題
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「よーし、HR終わるぞー」
その一声でクラス全体が騒がしくなる。
僕も周りの子と談笑しようとしたら、田中に呼ばれた。
「なんですかー、田中せんせー」
「田中じゃない、小林だ!……いい加減覚えろよ」
「いや、なんとなく良く聞く苗字としか。んで、なんですか?」
「それがな、今日の昼休みに報道委員会からインタビューがあるらしいから放送室に来てほしいそうだ」
「え、インタビューって意味が分かんないんですけど」
「俺も良く知らん。まぁ、お前なら大丈夫だとは思うんだが」
「なんですか、その含みのある言い方。ちょっとイラッとするんですけど」
「あ、その……すまん水月!とりあえず昼休み絶対行けよー!」
「え、ちょっと、小林さーん……」
物凄く後味が悪い。というか嫌な予感しかしない。
まあ、行けと言われれば行くのだが。
嫌な予感がするからこそ、面倒に感じるものだ。
取り敢えず、今日は早弁でもしておこう。