短編
□…っていう○。
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「って言う夢を見たんだよね」
「アハハハハ、何それ跡部!かっこ悪りE−!」
「どんな夢だよそれ(笑)」
「あの音、恐らく背骨が折れていたと思うんだ」
「オイ、お前ら何の話してんだ」
「え?跡部が樺地にタックルされて背骨折る話」
「違うC−、それ名前ちゃんの夢だC−」
「……お前はどんな夢を見ていたんだ」
こめかみに青筋を浮かべながらそういう跡部だが、夢の光景が頭から離れないため思わず噴き出した。
「っ、あははは、跡部の背骨っ、ゴキっ…っ!言って、あは、ア゛ーーーっ、って」
「ったく、激ダサだぜ、っぷ…跡部の、背骨っ……」
耐えきれず宍戸も笑いだす。それに便乗して芥川も、その話を聞いていたメンバー全員笑いだす。
ちなみに、今は部活終了後の部室で軽く談笑している。
つまり、皆この話を聞いているわけで。
「樺地……どう思う?私のこの夢」
「ウ、ウス……」
「名前先輩……樺地困らせないでください」
少し困った顔の樺地君と、私を咎める鳳君。
「ぶっ、跡部ダッセーーー!!」
「まさかあのけーちゃんがなぁ……背骨折れるんかいな…」
「誰がけーちゃんだ、アーン!?」
「……下剋上だ」
「でもさ、タックルし終わった後の樺地目茶苦茶気持ちよさそうな顔してたよ?」
「いつかされるかもしれへんなあ、跡部」
「そーだよ、きっと私の夢の中で樺地君の本当の思いが……」
「跡部、樺地の迷惑も少し考えろよ!仮にも先輩だろ!……ったく」
「何言ってんだ宍戸、樺地は自ら俺に付いてきてんだよ」
「でも、あそこまでなんでもかんでも言う必要ないでしょー。樺地可哀そう、ほんと。あ、樺地今度なんか奢ったんねー、いっそのこと私にしない?あんなキング様よりもさ」
「……それは、駄目です」
「あらそう残念」
少しおどけた様に言えば、また部室に笑い声が広がる。
……今日も、氷帝学園男子テニス部は平和です。