†夢々†

□メカクシティアクターズ
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今年も暑い夏だった

『早く帰ろ…』

「そこのお姉さん可愛いね」

『…』

「君だよ!き・み!」

グイッ

『キャッ!』

何者かに腕を引っ張られた

「声も可愛いねー」

「俺らとお茶しない?」

二人組の男だった

『…』

「お前の顔が怖いから黙っちゃったじゃん」

「うるせーよ」

男たちの笑い声が響く

あぁ…早く帰りたいのに

『離して』

「そんなこと言わずにさ」

帰りたい

『離してください』

「そんな怖がらないで」

帰りたい

『離して』

「一緒に行こうよ」

帰りたい

『離しなさい』

「は?」

ダラン

男の手が離れた

「何してんだよ」
「知らねーよ!手に力が入んねー」

もう一人が近づいてきた

『止まりなさい』

ピタッガクッ

「え?」
「何膝ついてんだよ」
「知らねーなんか勝手に…」

『眠りなさい』

二人の男たちが最後に見たのは赤い目をした女の子だった

『暑い…』
女の子は何事もなかったように歩き出した
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