忍者短編

□近くて遠い君
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私には好きな人がいます。明るくて人懐っこく、ちょっとワイルドだけどとても優しいあの人が…。でも、あの人はとても遠い…。

「ウスラトンカチちゃーん!!そろそろ帰ろうぜ!!」

「…ボーッとして大丈夫か?」

『あ…うん!!ゴメンゴメン!!』

私達はアカデミーを卒業し下忍になった。任務では三人一組、又は四人一組が基本の為イルカ先生による班分けが行われ、第7班はナルト、サスケ、私となった。

アカデミー時代それぞれ仲は良く、メンバー的にはとても心強い二人と一緒になれたのは嬉しかった。だけど、あの人とは離れてしまった為、素直には喜べない自分もいた。

「じゃあ次は、犬塚キバ、油目シノ、日向ヒナタ。」

『!!』

イルカの声に耳を傾けると、あの人の名前が上がり、私は思わずそちらに目を向けると"頑張ろうな"と班員に話しかけるあの人がいた。

『(…キバくんと離れちゃったな)』

これから任務につけば、きっともう頻繁には会えなくなる。アカデミーでは毎朝何も考えなくても会えていた分、不安も大きくなった。

そんな事はアカデミーを卒業した時からわかっていた筈なのに、いざ班分けを聞きわずかな希望が打ち砕かれてしまった今、戸惑いは隠せなかった。
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