黒子短編
□花言葉6シリーズ
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アンズ
「テツヤ2号〜。」
『はーい?』
「なぁテツヤ2号〜。」
『はいはーい。』
「テツヤ2号ってば(ギュウゥ)」
『わぁ///!?』
「やっとこっち、見てくれた。」
『鉄平なにして…』
「テーピング、やってくれないか?」
『え…足痛むの?』
「ん〜少しね。」
『う、うん…分かったよ。じゃあ救急セット持ってくるからちょっと待ってて…』
「待って、俺が部室行くよ。救急セット持ってまた体育館に戻るより、俺とテツヤ2号が部室に行ってそこでやって貰った方が早いしさ。」
『そ、そう?でも痛いならあまり歩かない方が…』
「大丈夫大丈夫。じゃあお願いね(ガシッ)」
『…鉄平?この肩に巻かれた腕は一体…』
「膝痛いから部室まで俺を支えて、テツヤ2号(ニコニコ)」
『う、うん…じゃあしっかり掴まっててね。』
「もちろん(ギュウギュウ)」
テツヤ2号はマネージャーだから部員の助けになってくれる。それは相手が俺じゃなくてもそうだろう。
だけどねテツヤ2号、俺はそんなの嫌なんだよ。マネージャーの仕事の邪魔をしてワガママを言ってるって分かってる。
テツヤ2号は優しいから俺の頼みを断ったりなんかしない…必要以上に近付いても無防備なのは、俺が部活の仲間だから?
もっともっと俺を意識して欲しい。これで俺の気持ちに気付いてくれないなら…もっともっと…。
『よいっしょ…ここに座って。』
「うん、ありがとう。」
『えっと、救急箱は確かあの棚に…』
二人きりの部室、閉ざされた空間、それに無防備過ぎる君。探し物をするテツヤ2号の背中にコッソリ近付いた。
「テツヤ2号…(ギュウゥ)」
『つっ…///!??』
「救急箱…見つかった?」
『まだ…だけど、近い…///!!』
「(クンクン)」
『ひゃっ///?!!』
「甘い香り…落ち着く(ポフッ)」
『てっぺ…い…///!!』
「ダメ、暴れないで。」
『ちょっと…これじゃ救急箱取れない…』
「あぁこれだろ?よっと…(ググッ)」
『待っ…私出るから…』
「大丈夫大丈夫。すぐ取るから。」
テツヤ2号を左腕で抱き締めながら棚に手を伸ばし救急箱を取った。俺と棚に挟まれたテツヤ2号を潰してしまわぬように。
「はい、取れたよ。」
『ありがと…。』
「じゃ、お願いね。」
『う、うん…。』
テツヤ2号の手を引き椅子に座った。さすがにテツヤ2号は俺を警戒しているのか、腕を精一杯伸ばし俺の近くにこなかった。
「テツヤ2号〜まだ?」
『………。』
「もう何もしないから。ね?お願い。」
『…うん。』
俺が優しく微笑めばテツヤ2号も安心したようで、アッサリ警戒を解きテーピングを始めた。
『…っと、出来たよ。』
「ありがとう。テツヤ2号はいつも丁寧に巻いてくれるから安心だよ。」
『これで少しでも痛みを和らげる事が出来るならね。』
「ホントありがとな。」
『うん…。』
「テツヤ2号…」
『さ、さてテーピングも終わったし体育館戻ろっか!!』
「待って…!!(グッ)」
『っ…』
「テツヤ2号…。」
『鉄平…』
「…テツヤ2号…(なでなで)」
『つっ…///!!』
「綺麗な髪…」
『てっぺ…い…』
「柔らかいほっぺ…」
『っ…』
「可愛い唇…」
『///!!』
「テツヤ2号…(ググッ)」
『近…い///!!』
「俺の目、見て?」
『無理…だよ///!!』
「テツヤ2号と目が合わないなんて寂しいな。」
『だって近すぎて…』
「…なら…(ヒョイッ)」
『…!!』
わざと屈みテツヤ2号に顔を近付ければ、真っ赤になり目をそらされてしまった。
そんな君も可愛いけど、今は俺の事だけを見て欲しい。だから俺は君を抱き上げベンチに押し倒した。
『てっぺ…』
「やっと目が合った(ニコッ)」
『///!!』
「はぁ…可愛い(ギュウゥ)」
『っ…つっ…///!!』
「ねぇテツヤ2号…(チュッチュッ)」
『ひゃっ///!??』
「俺の事だけ考えて…俺の事だけ見て?」
『え…』
「俺の事…愛して…(チュッチュッ)」
『鉄平…待って…』
「ほっぺ…隠さないで…」
『だって鉄平がキスするから…』
「ホントはここにしたいんだけど…」
『///!!?』
「でもここはもう少ししてのお楽しみにしとく。」
『も、もう少しって…』
「テツヤ2号〜(ギュウゥ)」
『///!!』
「好き…(ポフッ)」
『えっ///?!』
「早く俺の事好きになって?」
アンズ
花言葉は【誘惑】
君が俺を意識してくれるまで何度でも。
俺の事、たくさん愛して?