籠球短編
□キス魔シリーズ
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ドキドキ…ドキドキ…
『流川くん…来てくれるかな?』
ドキドキ…ドキドキ…
今朝誰よりも早く登校し流川くんの下駄箱に所謂ラブレターを入れた。ラブレター…と言うよりはお話があるので放課後屋上にきて下さいと言うもので…。
『(しかし今時こんな呼び出し方ってアリなの?!分かんないけど校内で二人きりになれる場所なんてなかなかないし…!!)』
―ガチャッ
『…!!』
「………。」
『(る、流川くん本当にきてくれた!!)』
「………。」
スタスタ…
『(どうしよう…?!流川くんが近付いてきた!!緊張して声が出ない…!!)』
「………。」
スタスタ…
『…あれ?』
「ふぁ…眠い…。」
『あっあの…』
「………?」
『流川…くん、手紙読んでくれましたか?』
「手紙……知らん。」
『えぇ?!』
流川くんはスタスタと長い足で私の横を通りすぎ横になり始めたので、声をかけてみた。手紙読んでくれてないなら何故ここに…?!
「アンタ誰?」
『さっ…3組のひつじです。』
「ここで何してんの?」
『あ〜…えっと…流川くんを待ってて…アハハッ。』
「俺を…?何か用?」
『用と言うか…お話があって…。』
「何?」
『う……。』
流川くんは身長差がある為だいぶ高い所から私の目を見詰め、次の言葉を待っていた。
緊張するけどこんなチャンス二度とないかもしれない!!頑張れ私…!!
『あの…ずっと流川くんの事が好きでした。私と付き合って下さい///!!』
「………。」
『(どうしよう…ついに言っちゃった!!流川くん変わらず無表情だけど…)』
「ひつじ…だっけ?」
『はっはい///!!』
「本当に俺の事が好きなの?」
『はっはい///!!』
「じゃあキスして。」
『はっはい……え?!』
「俺の事、好きなんだろ?」
『そうですけど…何故キス?!』
「出来ないなら別に良いけど。その代わり大ダメージ受けるくらい酷くフッてやる。」
『えぇ!??』
な、何それ?!大ダメージ受けるくらいって…逆にもしキス出来れば流川くんと付き合えるって事?それは嬉しいけどいきなりキスって…!!いや、場所は指定されてない訳だし頬とかならまだ…
「で、すんの?しないの?」
『…し、します。』
「言っておくけど唇にだから。」
『っ…!!』
「すんなら早くして。俺眠い。」
『は、はぁ…じゃあせめて目を瞑って欲しい…』
「無理。早く。」
『………。』
思いっきり目ぇ見開いてるよ流川くん…どうすんのコレ?!やれんのか私?!でも相手はずっと大好きだった流川くんだから…軽く軽く…
―チュッ
「………。」
『つっ…はぁぁ緊張した…///!!』
「……今の何?」
『何って…キス…』
「唇にって言っただろ。」
『ちゃんとした…と思うけど…』
「ココだったんだけど。」
『…!!』
トントンと自らの顎を指差す流川くんに私はドッと汗が吹き出した。